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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 家賃滞納したまま入居者が行方不明

<お悩み> 所有するアパートの入居者が家賃を半年も滞納しています。「そのうち」と言うので待っていましたが、突然どこかに行ってしまい連絡がとれません。部屋には、家財道具が残されています。借り主には連帯保証人もいないので、滞納金の回収は難しそうです。ならば、早く部屋を他の人に貸したいですが、どうすればよいでしょうか。 (東京・無職 70歳)

◆裁判所の手続きに従って

<お答え> 家賃を滞納された上に、借り主が行方不明というのは、本当に困りますね。

 部屋を貸し出すためにも、残された家財道具を処分してしまいたいところですが、それは違法で許されません。勝手に借り主の家財道具を処分してしまうと、後で損害賠償を請求されるなど、トラブルになる危険性があります。

 ここは「急がば回れ」で、裁判所の手続きに従って、明け渡しと家財道具の処分を行う必要があります。

 明け渡しを請求するには、賃貸借契約を解除する必要があります。ご質問のようなケースでは、裁判を起こすことで契約を解除できます。具体的には、訴状に「〇月△日までに未払い賃料を支払え。この日までに支払いがない場合には賃貸借契約を解除する」との文章を入れることです。

 ただ、裁判は相手に訴状が届かなければ始まりません。相手の居場所が分からないときには、公示送達という手続きで裁判を進めることができます。

 これは裁判所の掲示板に、相手方に対して裁判への呼び出し状を掲示することで訴状が届いたとみなす制度です。公示送達がされると、相手が裁判所に出頭しなくても、手続きを進め、明け渡しの判決を出してもらうことができます。

 明け渡し判決が出た後は、強制執行の手続きによって、部屋の中の家財道具を外に出して明け渡しを実行します。その上で、家財道具を競売にかけて、未払いの家賃と執行費用を回収することができます。実際には、引っ越し業者などに依頼することになります。

 こうした一連の手続きを行うには、時間と費用がかかります。家賃の滞納があったら、その都度きちんと催促をし、滞納額が大きくならないうちに弁護士に相談して、対策を講じることをお勧めします。

 

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