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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 亡き父の自宅相続 必要な手続きは?

<お悩み>母が亡くなった後、長女の私が同居して世話してきた父が先日、亡くなりました。遺言書はなく、遺産は自宅の土地建物と預貯金です。相続人は私のほか、弟と2人の妹の計4人。現在、弟と相続の話をしていますが、うまく進みません。妹たちは「遺産はいらない。お姉さんにあげる。弟との話し合いは任せる」と言います。父の自宅を相続したいのですが、どんな手続きが必要でしょうか。 (東京・無職 65歳)

◆妹の相続分譲渡を書面に

<お答え>ご質問のケースだと、今後の相続手続きは、遺産分割協議書を作成して相続人全員に署名、押印してもらうのが通常となります。ただ今回のように話し合いに時間がかかるとか、家庭裁判所で調停を行うことが予想されるのであれば、まず妹さんたちの気持ちを形にするため、相続分の譲渡を受けておいたほうがよいでしょう。

 相続が開始されると、相続人は相続分に応じて遺産を共有することになります。この相続分は分割協議が成立するまでの間、放棄したり、他の相続人に譲渡したりすることができます。相続分を放棄、譲渡した相続人は以後、遺産分割の当事者となりません。

 相続分を放棄した場合は、放棄した分が他の相続人の相続分に応じ、振り分けられます。譲渡した場合は、譲渡を受けた相続人の相続分が増えます。

 ご質問のケースで見てみます。妹さんたちが相続分を放棄すると、あなたと弟さんの相続分は二分の一ずつに、妹さんたちがあなたに相続分を譲渡するとあなたが四分の三、弟さんが四分の一の相続分となります。

 妹さんたちの気持ちを生かすには、妹さんたちの相続分をあなたに譲渡する旨の書面を作ってもらうのがよいでしょう。その後は、弟さんと二人で協議すれば足りるので、手続きをスムーズに進めることができます。

 相続分の譲渡は有償でも無償でもかまいません。ただし有償の場合、譲渡した人がその金額に見合った遺産を取得したものとして相続税を課される場合があるので、注意が必要です。

 預貯金の配分などで調整して、あなたが自宅を取得する方向で協議が進むとよいですね。協議の進め方も含めて弁護士に相談することをお勧めします。

 

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