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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 坂本雅弥弁護士> 小2が学童でけが 治療費どうなる?

<お悩み> 小学校2年の息子は、放課後に民間の学童保育を利用しています。先日、学童の同級生が投げた積み木が、息子の顔面に当たり、視力が落ちました。同級生の親は、謝罪するものの「治療費の支払いができる状態ではない」と言います。自然に視力が回復するか分かりません。治療費などの請求は、あきらめるしかないのでしょうか。 (東京・主婦 40歳)

◆運営会社に賠償請求可能

<お答え> 息子さんはおつらい状態ですね。お話では、相手方は経済的に治療費の支払いが難しいようです。そこで学童を運営する業者に請求できるかを検討してみます。

 学童は児童福祉法に基づき、親が仕事などで家庭にいない児童に、小学校の授業終了後に生活の場を与えて健全な育成を図る事業です。民間に委託する場合もあります。

 事業所は児童を預かるだけでなく、児童が安全に過ごせるよう配慮する義務(安全配慮義務)があると考えられます。運営会社がこの義務を果たさず、児童が事故に遭った場合は、賠償請求できます。

 請求が認められるのは、事故防止のために注意を尽くさなかった場合です。今回なら、積み木のようなけがをさせてしまう玩具を投げてはいけないと児童に徹底させなかったり、ふざけあって本来の玩具の使い方をしていない児童に他の児童にけがをさせていない段階で注意をしなかったりすることなどが考えられます。その場合は、運営会社の安全配慮義務違反が認められる可能性があります。

 運営会社やけがをさせた児童の親に請求できる損害は、治療費などの実費や慰謝料などです。仮に視力が回復しないなど後遺症が生じた場合には、事故がなければ得られたであろう利益(逸失利益)なども認められるかもしれません。交渉が進まない場合は弁護士への相談をお勧めします。

 前提として積み木を投げた児童の責任も考えてみます。小学校二年ですから法律上の責任を理解することは難しく、児童に賠償請求はできません。その場合、親は子に対し、他の児童にけがをさせないよう監督を尽くさない限り責任を負います。監督の事実を証明できれば責任を免れる場合がありますが、実際はあまり認められません。

 

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