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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 今野久子弁護士> 「監視されている」ホーム出たがる母

<お悩み> 母が気に入り、入居した特別養護老人ホームを最近「出たい」と言い出しました。読んでいる本を知らないはずの職員から感想を聞かされたり、来訪者の人物評価をされたり。「監視されているようで嫌」なのだそうです。母はよほどでなければ不平や不満を言いません。ただホームに言うと職員の感情を害するのではと思い、悩んでいます。 (埼玉・会社員 50代)

◆「苦情担当者」に相談して

<お答え> お母さまの「監視されている」という言葉は、不安や嫌悪感を端的に表しています。何を読み、どんな人と付き合っているかは、プライバシーに属することです。お母さまはプライバシーを大事にする方だからこそ、監視と感じたのではないでしょうか。

 職員には、利用者一人一人の人格や考え、個性を尊重することが求められます。家族が言わなければ、ホーム側は問題に気付かず、事態は変わらないおそれがあります。お母さまの話をよく聞いて、ホーム側と話し合い、お母さまが安心して生活できるようにしましょう。

 福祉施設は、社会福祉法に基づく事業者側の苦情解決の仕組みとして、「苦情受付担当者」「苦情解決責任者」を置くとともに、第三者委員の選任が定められています。

 第三者委員制度は施設経営者の責任で、事業所と利用者以外の第三者が選ばれます。児童委員・民生委員など地元の有識者など信頼できる人が要件です。委員は利用者の苦情などについて、公正・中立な立場で判断します。適切に助言し、円満で円滑な解決になるよう支援します。施設の利用者や家族は、第三者に直接苦情を申し出たり、相談したりできます。

 施設によっては、第三者委員の名前や連絡先を掲示したり、重要事項説明書などに載せたりしています。分からなければ、老人ホームに問い合わせてみましょう。

 それでも解決しないなら、県や市の福祉サービスの「運営適正化委員会」に申し出る方法もあります。中立の立場での仲介のほか、調査、助言、あっせんなどで解決に向け支援してくれます。

 なお話し合っても、お母さまやご家族がホーム側と信頼関係を築けない場合、経済的に可能なら早めに他施設へ移ることも一つの選択肢です。

 

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