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【悩みの小部屋】

<法律お助け隊 滝沢香弁護士> 姉が「墓の権利を継ぐ」と言い出した

<お悩み> 姉と2人きょうだいです。父は既に亡く、母も1年前に亡くなりました。実家で母と同居していた姉が「仏壇も位牌(いはい)も自分が管理している。菩提寺(ぼだいじ)の墓の権利も自分が継ぐ」と言い出した上、私が実家にお参りすることも拒んでいます。私自身や妻、子どももその墓に入ると思っていたので、どうなるか心配です。姉にどう対応すべきなのでしょうか。

 (神奈川・自営業 65歳)

◆祭祀継承者 家裁が指定も

<お答え> 仏壇や位牌、墓地を使用する権利は、祖先を祭るのに必要な財産として祭祀(さいし)財産と呼ばれます。一般的な相続財産とは切り離して扱われます。

 お姉さまが墓地の権利にこだわっている事情は、尋ねられましたか。あなたが継いでも、お姉さまもその墓地に埋葬するし、法要もすると伝えれば安心するかもしれません。まずは、お姉さまの考えを聞き、話し合いができるといいのですが。

 祭祀財産は、権利を持っている人が遺言などで指定していた場合、指定された人が継ぎます。指定がない場合は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継するとされています(民法八九七条)。

 今回は、遺言による指定はないようですので慣習に従うとなります。ただ相談からは、墓地のある住所地や地域で長年続いてきた慣習があるとは判断できません。

 民法では、慣習が明らかでないときは、権利を承継する者は、家庭裁判所が定めるとされています(同条)。

 親族間の話し合いが難しい場合、家裁に祭祀継承者の指定について調停または審判を申し立てることが考えられます。調停は調停委員の助言・あっせんのもと話し合う手続きですが、調停で折り合いがつかなければ家裁が審判を出します。

 家裁は、被相続人との血縁関係や過去の生活関係・生活感情の緊密度、被相続人の意思、承継候補者の意思および能力などを総合して判断します。

 お母さまが菩提寺に墓地使用権の継承者を伝えている場合などもありますので、お寺にも確認をしてみてはいかがでしょうか。お姉さまと二人で話し合いをすることが難しければ、調停を利用することも検討してみてください。

 

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