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【にゃんとワンポイント】

犬の整形手術 昔ながらの慣習も

断尾されたヨークシャーテリアの尾。子犬の段階で処置されている場合が多い

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 犬種によって尾の長さに違いがあるのは、皆さんご存じかと思います。この長さ、生まれつきのものもあれば、生まれたばかりの頃に人の手によって短くされているものもあるのです。

 昔、農場で飼われていた犬は、牛などの家畜に踏まれないように、狩猟犬は山道で傷付かないように、などの理由から断尾が行われていた、という説があります。

 しかし、現在一般家庭で飼われる犬に対してこの処置を行うメリットは、お尻周りを清潔に保てることと、見た目の標準化以外にはあまり見当たりません。耳の形を変える断耳も美容目的が大きいでしょう。

 もう一つ、子犬が受ける例の多い手術が狼爪(ろうそう)の切除です。後ろ足の一番内側にある指のことで、人間の親指に相当します。生まれながらにして無い犬もいれば、しっかりと骨が形成されていたり、皮膚と爪だけがぶら下がるような形であったり、二重に形成されている犬もいます。

 サークルの格子や床に敷いたすのこなどにこの爪を引っ掛けて、指を割いてしまうことがあります。2番から5番目の爪は散歩の時に地面で削られて長さが保たれるのに対し、地面に接しない場所に生えているため削られません。伸び過ぎた爪が一周巻いて自分の指に刺さることもあります。

 けがの予防として切除する場合がありますが、必ずしなければならないというわけではなく、代替策があるかもしれません。

 美容目的の場合は、これまでに先人が築いた文化があり、一概に否定できない側面があります。

 いずれにしても、手術が行われる場合には、子犬に苦痛や恐怖を与えることのないように配慮されるべきだと思います。

 (後藤千尋=ノア動物病院、獣医師)

 

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