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【ペット大好き】

Ray Yamadaさんとケビン、銀次郎 限りある生命の美しさ伝えたい

「限りある命だけにいとおしい」と、ケビン(左)と銀次郎への思いを語るRay Yamadaさん=東京都内で

写真

★カブトムシ(ともにオス)

 シンガー・ソングライターのRay Yamadaさんが大切に育てているのは、日本のカブトムシ。撮影にあたり、自然採取のケビンと人工ふ化の銀次郎をケージから出してもらった。二匹はRayさんの手の上を歩き回った。

 「オス同士を近づけるとけんかをするので、通常はケージを区切って飼っています」と話す矢先、ケビンが威嚇するように前脚を持ち上げ、数回立ち上がると、ぶーんと羽音を立て飛び立った。

 「森で生まれた子なので本能的に敵の存在を知ったのでしょう。一方、人工ふ化の銀次郎は体が大きくて、おっとりしています(笑)」

 カブトムシ好きは建築家の父の影響だ。小さい時から昆虫採集に連れていってもらった。両生類や爬虫(はちゅう)類も好きで、幼稚園の時はアカハライモリを、中学生の時はイモリの仲間ファイアサラマンダーを、長じてはヤモリのヒョウモントカゲモドキを飼った。「クールで宇宙的な魅力が好き」という。

 父が設計したスタジオの一室では音楽家の母が声楽を教えていた。母の影響で、物心ついた時から歌に親しみ、幼いころからクラシックを学んだ。その後ポップスなどにも興味を持った。

 ファーストアルバム「COSMOPOLITAN」は世界を旅し、現地の音楽を吸収したものだが、その中の「森のワルツ」のミュージックビデオにはアジア最大であり、三本の長い角をもつコーカサスオオカブトが共演している。

 「この子も例に漏れず、亡くなりましたが、『コスモくん』と名付け、今も標本にして大切にしています」

 今年のカブトムシたちは交尾を終え、メスは産卵を済ませた。使命を終えたオスは急速に体力を失い、寿命を全うした。

 「家のメスは九月ごろになると直径二〜三ミリ程度の卵を産み、産卵後には亡くなるのです」

 オスメスとも死んでしまうのだが、しかし彼らの残した命が生まれてくる。卵は二週間ほどでふ化し幼虫に。二回ほど脱皮をし、冬を越した後、さなぎに。さなぎから羽化した成虫は、一〜三カ月間、地上で暮らして亡くなっていく…。

 「限りある命です。それだけにいとおしい。ケビンや銀次郎の死は寂しいけれど、次の世代の命が誕生します。このような命の循環が環境保全にも貢献します。この子たちに感謝し、一生懸命に生きた姿の美しさを伝えていきたい」

 独自の美を追究するRayさんの美学と世界観。原動力の一つが、そこに見えた。

  (文・宮西ナオ子、写真・河口貞史)

 <れい・やまだ> 東京都出身。Jポップからジャズ、ワールドミュージックと幅広い音楽のジャンルを表現。クラブシンガーとして活躍後、2013年にデビュー。20日に東京・目黒で、22日は東京・高輪でライブを開催予定。詳細はオフィシャルサイト(名前で検索)から。

 

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