東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 暮らし > ペット大好き一覧 > 記事

ここから本文

【ペット大好き】

中しまりんさんとソラン 軽快な足跡から 箏の曲イメージ

中しまさんと愛猫ソラン。「箏の練習をしていても、膝にのってくる甘えっ子です」=東京都内で

写真

★猫(オス 15歳)

 箏(そう)奏者として、古典から現代曲まで独創的な演奏活動を行う中しまりんさん。猫とのつきあいは、アーティストになって間もない頃だった。

 「最初はシンガー・ソングライターとして活動を始めたんですが、将来に対して不安が大きかったんですね。そんなとき、ふと、猫が飼いたいと思ったんです」

 ペットを飼った経験はなかったが、犬や猫には以前から興味があった。動物病院で働いていた友人に相談すると、生後四、五カ月の保護猫がいて、おとなしい性格のオスなので初心者に向いている、と勧められた。名前は「ゆず」。

 「飼育本をたくさん読み、緊張して迎えました。最初はどう触ろうかと思ったんですが、ゆずの方からすぐ私に甘えてきて、寝るときも隣にやって来ました。心配はすぐなくなりましたね。こんなにかわいい、いとしい存在と暮らせるなんて…」

 ゆずとの生活は楽しく、中しまさんの心は安定し、曲作りにも集中できるようになった。ゆずの写真が初めてのアルバムのジャケットを飾った。

 二匹目の「ソラン」が来たのは、二〇〇一年の米中枢同時テロの後。事件の翌日に保護された子猫だった。「保護した人が、みんな絶望していたとき、この子猫が平和の希望を与えてくれたと。私も共感して、引き取ることにしました」

 テレビアニメ「宇宙少年ソラン」から命名した。今度は中しまさん自ら母猫のようになり、ソランを噛(か)んで、甘噛みを教えて育てた。

 ゆずとソランは大の仲良しになった。二匹でいつも中しまさんを追いかけて、風呂にまでついてきた。風呂から出た二匹のぬれた足跡が、小さな花びらのように床の上に広がった。それが「梅ノ花」という曲になった。軽快な箏のリズムが、じゃれあう二匹を思わせる。

 「猫はいつも自由で、人を幸せにしてくれる不思議な存在ですね」

 ゆずは十六歳で天国へいった。「悲しくて、何がなんだか分かりませんでした。でも火葬したゆずのお骨を抱いたとき、ゆずの魂が戻ってきてくれたような気がしたんです。これからも心の中でずっと一緒なんだと」

 今はソランの他、もう一匹、引き取った猫と暮らしている。

 「ソランも高齢になり、不整脈がありますが、何があっても後悔しないよう、毎日愛情をいっぱい注いでいます。仕事で海外に行ったときも、(インターネット電話)スカイプで『元気で待っててね』と話しています」

 いつか再び、猫たちをテーマにした曲が生まれるかもしれない。

  (文・宮晶子、写真・高嶋ちぐさ)

<なかしま・りん> 富山県生まれ。5歳で箏(そう)を始める。シンガー・ソングライターを経て箏奏者となり、独自のスタイルの音楽活動を展開。「さくらこまち和楽団」の一員として全国の学校などで公演。2014年にアルバム『MATSURI』を発売。11月2日、東京・渋谷でライブを開催予定。詳細は公式サイト(名前で検索)で。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報



ピックアップ
Recommended by