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【首都圏】

朴裕河氏著「帝国の慰安婦」 都内で評価めぐり激論

「帝国の慰安婦」の問題点について発言する鄭栄桓・明治学院大准教授=東京都目黒区の東大駒場キャンパスで

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 韓国世宗大学教授・朴裕河(パクユハ)氏の著作「帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い」(朝日新聞出版)の評価をめぐって討論する研究集会が都内で開かれ、同書の「擁護側」と「批判側」の研究者や市民活動家ら十数人が、日本軍「慰安婦」制度と植民地支配の理解について意見交換した。 (土田修)

 日本の研究者やメディアの多くは「日韓和解に道筋をつける名著」として同書を高く評価したが、元「慰安婦」被害者は名誉毀損(きそん)などで同書を民事提訴するとともに刑事告訴している。

 討論会では、「擁護側」の西成彦・立命館大学教授と「批判側」の鄭栄桓(チョンヨンファン)・明治学院大学准教授らが登壇。西氏は「朴氏が日本兵士と『朝鮮人慰安婦』の『同志的関係』を強調するのは『日韓・日朝対立のパラダイム』を超え、新しい認識の可能性を視野に入れるためだ」と話した。

 鄭氏は「(朴氏は)朝鮮人『慰安婦』は大日本帝国の臣民であり、日本軍兵士と『同志的関係』を結んだとして『帝国の慰安婦』を論じている。だが証言や史料の読解が恣意(しい)的だ。大日本帝国の論理によって証言を再解釈しただけだ」と厳しく批判した。鄭氏は先月、「忘却のための『和解』 『帝国の慰安婦』と日本の責任」(世織書房)を出版している。

 総括では、主催者の一人、本橋哲也・東京経済大教授が「同書は実証研究の上で多くの問題をはらんでいるのに、日本では賞を取るなど評価されすぎた。私は(韓国検察による朴氏への在宅起訴に対する)『抗議声明』に加わった一人だが、今では署名したことを反省している」と述べた。

 

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