東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 首都圏 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【首都圏】

性暴力、人間の尊厳奪う 映画「月光」11日から新宿で公開

小沢雅人監督

写真

 性暴力被害を正面から捉えた映画「月光」が、東京・新宿のK’s cinemaで十一日から公開される。小沢雅人監督(38)は、事件のシーンや心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しむ被害者の表情など、生々しい描写にあえて挑んだ。「性暴力は表に出にくい。こんなことがあるんだ、とまずは知ってもらいたい」と話す。 (石原真樹)

 作品には二人の被害女性が登場する。ピアノ教師のカオリと、教え子のユウ。カオリは発表会の帰りにユウの父親に暴行され、ユウは父親から性的虐待を受けていた。他人に打ち明けられない苦しみを抱えた二人の距離が縮まってゆく。

 小沢監督は被害者に話を聞いたり手記を読み、顔見知りによる犯行が多いことや、PTSDに苦しめられる被害者のつらさを知った。

 「性暴力は性欲ではなく支配欲が原因」と言う。ユウの父は妻と不仲で仕事もうまくいかず、存在意義が認められないストレスを弱い者に向けたという。「誰でも加害者になる可能性があり、身近に性暴力が存在するかもしれない」

 性暴力の場面など、リアルな描写もあえて盛り込んだ。「アダルトビデオでレイプを見て、女性は最後は受け入れると思い込む男性も多い」からだ。

 「性暴力は人間の尊厳を傷つけ人生をめちゃくちゃにしてしまうことを知ってほしい」

 制作費はクラウドファンディングで集めた。児童虐待問題に切り込んだ前作「風切羽〜かざきりば〜」(二〇一三年)から親交を重ねる児童養護施設の職員らも応援してくれたという。

 「性暴力は、被害者も支援の現場で働く人たちも声を上げにくい。作品を、性へのタブー感を和らげる力にしたい」と、責任の重さを語った。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報