東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 首都圏 > 記事一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【首都圏】

ポル・ポトに仕えた3人の証言を本に 相模原の高校教諭が取材、執筆

書籍を手にする永瀬教諭=相模原市中央区で

写真

 神奈川県立相原高校(相模原市緑区)の永瀬一哉教諭(60)が、カンボジアで一九七〇年代に二百万人もの人々を死に追いやったとされる政治家ポル・ポト元首相の近くにいた人物三人にインタビューし、書籍「ポル・ポトと三人の男」(揺籃(ようらん)社)としてまとめた。 (井上靖史)

 社会科教諭の永瀬さんは教材研究の一環で一九八九年、同市内のインドシナ難民に日本語を教える支援活動を始めた。NPO法人「インドシナ難民の明日を考える会」を設立、代表に就き、今回聞き取った三人とは支援相手を通じて接触。二〇〇五年以降に十回以上、現地で話を聞いてきた。

 登場するのは、ポル・ポト元首相の処刑アシスタントを務めた男性、ポル・ポト派でラジオ放送のアナウンサーを任された男性、ポル・ポト派の元司令官の三人。

 処刑アシスタントを務めた男性はポル・ポト政権下の七〇年代、地方の集団農場から脱走を試みて逮捕され、幸運にも自らの処刑は免れたものの他の民衆殺害など壮絶な現場を目撃した。書籍で「思い出すと今も手が震える感覚」と語る。

 アナウンサーはポル・ポト元首相の心理戦について明らかにし、元司令官は九〇年代後半に政府への抵抗に限界を感じて極秘に同派の壊滅へ交渉した経過を語った。

 カンボジア、ベトナム、ラオスのインドシナ三国は主に五〇〜七〇年代、米国や旧ソ連など大国の介入によって戦乱や難民が発生した。混乱の中で大量虐殺を起こしたポル・ポト元首相も死去から来年で二十年となる。永瀬教諭は「三人の証言を通じて当時のカンボジアを考えてほしい。大国の思惑が絡んで難民の発生に至るなど、現代とあまり変わらない部分もある」と話す。

 税別千五百円。神奈川県内や東京都内の書店で販売中。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by