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【首都圏】

満州の苦難越え生き生きと 長野・泰阜村の今 栃木・那須町の大洞さんが撮影

長野県泰阜村の村民の生き生きとした表情を紹介する大洞東平さん=栃木県那須町で

写真

 旧満州への開拓移民で多くの犠牲者を出した長野県泰阜(やすおか)村で、苦難の歴史を乗り越え生き生きと暮らす現代の村民たちを捉えた写真48点が、栃木県那須塩原市桜町のいきいきふれあいセンターで24〜26日に展示される。シャッターを切ったのは、同県那須町の本紙読者でアマチュア写真家の大洞東平(だいどうとうへい)さん(86)だ。 (北浜修)

 東京生まれの大洞さんは三十代で那須町に移住し、獣医師や酪農の仕事をする傍ら、五十代で本格的にカメラを構えた。身近にいた旧満州の引き揚げ者に注目し、一九九五年には写真集「銃を持たされた農民たち」を刊行した。

 多くの開拓団を送り出した長野県を訪れ、人口二千人余りだった小さな泰阜村で、農業に精を出す高齢者に出会った。「山の谷間という厳しい環境にあるのに、表情が明るくて、とにかく元気で」。その姿に引きつけられ、二〇〇〇年から五年間に八回ほど、友人が運転する車で片道八時間以上かけて足しげく通った。

 毎回一週間ほど滞在し、穏やかな日常をカメラに収めた。積もった雪で楽しそうに遊ぶ子どもたちや、道端で談笑するお年寄りたち。展示する四十八点はその一部で、「カラーより温かみが感じられる」ということから、全てモノクロだ。

 これまでも栃木、長野両県や東京で作品を展示してきた大洞さん。「多くの移民を亡くしたつらい歴史を持つ山村で、人々が明るく生きている姿を見てほしい」と話している。

 四十八点は那須塩原市文化協会が主催する写真展の中で展示される。入場は午前九時〜午後五時(最終日は午後三時まで)で無料。問い合わせは協会事務局の市生涯学習課=電0287(37)5419=へ。

<泰阜村の旧満州開拓> 昭和初期の世界恐慌で村の主力産業だった養蚕が大打撃を受け、経済再生の活路を旧満州に見いだそうとしたのが背景。村によると、1144人が移住し、うち627人が現地で死亡、41人が消息不明となった。

 

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