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【首都圏】

シャプラニール(新宿) 途上国との共生目指し 適正価格で自立支援

フェアトレード商品を扱う常設店=東京都国分寺市で

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 発展途上国の手工芸品や農産物などを適正な価格取引することで経済的・社会的に弱い立場の生産者の生活改善と自立を目指す「フェアトレード」。「公正な取引」「倫理的消費」などともいわれる国際貿易の仕組みは徐々に世界中に広がっている。フェアトレードなどを通してバングラデシュ、ネパールといった南アジアの貧困問題解決に向けて活動を続けるシャプラニールは一九七二年に創立された国際協力NGOだ。

 ネパールの竹布工房で作られた衣料品や、バングラデシュの特産物ジュート(黄麻)を使ったバッグ、ベンガル地方の伝統刺しゅう「ノクシカタ」のテーブルクロスやポーチ類−。現地の素材や文化を大切にし、手仕事にこだわった伝統工芸品を中心に通販やネット販売しているほか、全国の常設店やイベント会場などでも取り扱っている。

 フェアトレード部門「クラフトリンク」チーフの平澤志保さんは「さまざまな理由で経済的・社会的に厳しい状況にある人々が手工業品をつくることで安定的な収入を得ています。現地のパートナー生産団体は適正な賃金の支払いだけでなく、生産者に対して技術研修、小規模融資の提供、医療費や教育費の補助なども行っています」と話す。

 活動を始めた当初は、必ずしも順風満帆ではなかった。駐在員が襲撃されたり、現地スタッフがストライキに参加したこともあった。日本からの支援物資が現地の日常生活にふさわしくないものも多く、「本当に役立つ援助とは何か」を考え始めた。

 その結果、“援助”ではなく現地住民との“共生”へと国際協力のスタンスを変えた。現在はネパールの山村女性の自立を目的に南アジアのハーブ・植物をふんだんに使ったせっけんづくりも行っている。フェアトレードの存在意義は、環境に優しい魅力的な商品開発によって現地で暮らす人々の生活を支えていくことにある。

 (土田修)

     ◇

 社会的な目的を持って活動しているコミュニティ・ビジネスやNPOなど「社会的経済」の主体を随時紹介します。

<認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会> 東京都新宿区西早稲田、電03(3202)7863。年間予算約3億円、定期的支援者約2700人。パートナー生産団体はネパールがインドラ・カマル、マハグティなど5団体、バングラデシュがジュート・ワークス、プロクリティなど6団体。フェアトレード以外にも、子どもの権利を守る活動や災害に強い地域をつくる活動などを続けている。

 

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