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【首都圏】

<談論誘発>解決が急がれる子ども貧困問題 財政的支援を充実して

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◆一般財団法人 地域生活研究所理事長・伊野瀬十三(いのせ・じゅうぞう)氏

 新都議会、とりわけ第一党の「都民ファーストの会」には、都民のふだんの暮らしに目を向け、急速に進む東京の超少子・高齢化に対応した“誰もが安心して暮らし続けられる東京のまちづくり”を進めてもらいたい。

 都内の地域生協は、宅配事業を通じて、高齢者の見守りや安否確認を行っている。昨年三月には「高齢者等を支える地域づくり協定」をJA東京中央会、東京電力など十六事業者で締結したが、実効性を高めるため、関係者間の情報交換の場を設けるなど、都が積極的な役割を果たすことが求められる。

 「介護保険制度」の改定に伴い、二〇一五年度から実施された「新地域支援事業」について、国から自治体に事業移行されているが、いくつかの自治体では事業移行がスムーズにいかず、生協や社会福祉協議会に協力を求めるケースも出ている。移行に伴う自治体ごとのサービスの格差が生じないよう、市区町村と連携して、国への提言や予算措置など必要な対応をすることが重要である。

 地域における子どもの貧困問題も解決が急がれる。子どもの貧困は、なかなか表面に現れにくいうえ、連鎖を起こし、地域社会からの孤立を伴い、多くの団体が「フードバンク」や「子ども食堂」「学習支援」などに取り組んでいる。先日、大田区の「子ども食堂」を訪問し、主宰者から話を伺ったが、地域の生活状況を調査・分析し、地域の子どもや親の気持ちに沿った活動をされている。

 こうした取り組みは、都内の各自治体、社会福祉協議会、生協を含む地域の諸団体のつながりや連携のもと進めていかねばならないが、現実は大田区の子ども食堂のように地域の小さなグループや団体によるボランティア活動によって支えられているのが実情で、都には財政的支援をはじめ、活動に関わる情報提供サービスなども充実してもらいたい。

 加えて、こうした“まちづくり”を広げ、継続していくためには、幅広い地域の人たちが交流できる「常設の居場所・たまり場」が必要だ。公共施設や民間の空き家などが活用できるような対策も講じてほしい。

 地域の風通しが良くなり、人と人とのつながりが強まれば、まちの安全も図られるだろう。例えば、将来起きるだろう「首都直下地震」など自然災害の防災・減災につながるに違いない。さらに、振り込め詐欺など、高齢者らの被害も減り、社会的孤立のない安心した暮らしができるのではないだろうか。

 1950年生まれ。大学生協東京事業連合専務理事、日本生協連常任理事、東京都生協連会長理事を歴任

◆新都議会に望む

<青山やすし氏(明治大学大学院教授)の意見要約>

 (1)先の東京都議選は小池知事率いる都民ファーストの会が圧勝。小池氏は昨夏の知事選で「満員電車ゼロ」など具体性に富んだ政策を掲げたが、「都民」は「学び舎作り推進条例」制定など抽象的なものが多かった。

 (2)パンフレットで「東京の成長」を掲げるのはいいが、具体策が国際金融都市推進条例制定。都民が知りたいのはその中身だ。

 (3)次の世代が将来にわたって教育や福祉の財源を稼いでいくための都市基盤整備なども不可欠である。議会改革や情報公開だけが改革ではない。

 

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