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【首都圏】

愛川の和太鼓、ロシアに響け 神奈川「打縁」今月下旬に音楽祭

壮行会で、パフォーマンスも交えた和太鼓演奏を披露した「打縁」のメンバー=神奈川県愛川町で

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 ロシア連邦サハ共和国の子どもらを招いて2010年から神奈川県愛川町で開かれてきた「愛川町音楽祭 笛と太鼓のフェスティバル」が今月下旬、初めて同共和国で開かれる。通貨ルーブルの下落によって子どもらの来日が難しくなったためで、町民が現地開催を計画。国際機関に申請し、費用の支援を受けられることになった。現地で和太鼓演奏するメンバーは「多くの人に笑顔と感動を届けたい」と意気込んでいる。 (井上靖史)

 リズミカルで機敏なバチさばきに、来ていた人たちから盛大な拍手が湧いた。愛川町内で六月中旬にあった派遣メンバーの壮行会。赴くのは、関東大会で入賞経験もある県立愛川高校(同町)和太鼓部卒業生でつくる二十代ばかりの演奏グループ「打縁(だえん)」の七人だ。

 メンバーの田中杏平さん(24)は「パフォーマンスも交えながら、一発たたいた時の迫力や、小さい音から大きい音まで幅広く表現できる和太鼓の魅力を伝えたい」と意欲満々に話す。

 音楽祭は一〇年に始まった。サハ共和国の子どもが愛川高の和太鼓部や卒業生と一緒に研修や成果発表をするほか、ネパールの著名な笛奏者パンチャラマさんや、音楽家木村俊介さんの笛の演奏などもあり、ほぼ毎年、開かれている。

 主催は同町中津のNPO法人「ユーラシアンクラブ・愛川サライ」。元は通信社記者だった大野遼(りょう)代表(69)が少数民族の文化や慣習の保護活動を続ける中、知り合った同共和国の音楽家夫妻から「サハの博物館に演奏方法が分からなくなっている各種の太鼓がある。復活させたい」と相談されたことがきっかけだった。

 大野さんは一〇年、同共和国で夫妻が集めた太鼓再生を志す子どもらを愛川町に招待。愛川高での指導のほかに、新潟県佐渡市の著名な太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」元メンバーの金子竜太郎さんを招いて指導の場を設けるなどし、第一回音楽祭の開催にもつなげた。日本の太鼓を通じて協調性や規律を学んだサハの子らの生活態度が良くなったことが共和国内で評判を呼び、太鼓文化は徐々に再興しつつあるという。

 大野さんは「サハ共和国で愛川町が著名になりつつある。続けてきた活動が派遣に値する交流事業と認められたのもうれしい」と話す。派遣は国際機関「日露青年交流センター」(東京都港区)の交流プログラム。大野さんと「打縁」の計八人は二十三日に出発し、二十七〜三十日の音楽祭に臨む予定だ。

 

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