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【首都圏】

アジア女子大生が来日 母国の実情伝える 男社会、変える教育必要

アジアの女性を取り巻く現状について語る(左から)ラキシンダ・シャキールさん、リーシャ・スッバさん、スマイヤ・シャルミンさん、スーザン・シトゥーラさん、アズラ・ジャワイドさん=東京都内で

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 アジアの将来の女性リーダーを目指すため、バングラデシュの国際大学「アジア女子大学(AUW)」で学ぶ5カ国・5人の学生たちが先月、彼女らに奨学金を支給する東京都内のNPO法人の招きで来日した。女性の社会進出を阻むそれぞれの国の課題や、日本の女性へ伝えたいことを聞いた。 (柏崎智子)

■可能性が広がる

 バングラデシュ、ネパール、インド、ブータン、パキスタン出身の五人は、日本のNPO法人「JKSK女性の活力を社会の活力に」(木全(きまた)ミツ理事長、東京都目黒区)などの奨学金で、学費をまかなっている。

 ラキシンダ・シャキールさん(23)=パキスタン=はいったん進学した自国の大学で、周囲が社会問題への関心が薄いことに落胆し、AUWに入り直した。アジア各国から学生が集まる国際的な環境や、言語や宗教など幅広い教養を重視する教育に満足し「ここで本当の自分を見つけられた」。スマイヤ・シャルミンさん(20)=バングラデシュ=も「可能性が広がるのを感じている」と目を輝かせる。

■「女は家庭」

 スーザン・シトゥーラさん(21)=ネパール=は「結婚して仕事を続けるのは良い妻ではないと見られる。家事や祭りの手伝いは女性としてやるのが当たり前」。アズラ・ジャワイドさん(20)=インド=も「人口の多いインドは男性も就職難。女性は性差別とのダブルパンチを受けている」と母国の実情を話した。

 バングラデシュは、十代前半で結婚する児童婚の割合が高い。シャルミンさんは「高等教育を受けられず、仕事も持てない」と指摘する。国際的な批判を受けて政府は二〇四一年までに児童婚を廃絶すると宣言したが、初潮が来たり見た目が大人びていれば結婚してよいという考え方は農村部を中心に根強い。

■かぎは教育

 「女性差別の背景の一つには宗教が挙げられるが、権力を持つ男性たちが教えを都合よく誤った解釈で広め、法やシステムに反映させている」とシャキールさんは分析する。「イスラム圏では、女性に『スカートをはいて外へ出たらレイプされても仕方ない。身を隠せ』と教える。本来は男性に『女性に礼儀正しくしろ』と教えるべきなのに」

 リーシャ・スッバさん(21)=ブータン=は、AUWで学び女性が不利な立場に置かれていることに気がついた。「性差別の状態を『伝統』と言われ、多くの女性は疑問を持てずにいる。深く考えることが必要」

■自信を持って

 日本の女性へのメッセージを聞いた。五人は声をそろえて「恥ずかしがらず、自信を持って!」。シャキールさんは「日本の女性には何にでもなれる自由がある。それは、私たちがのどから手が出るほど欲しいもの。自分の力と可能性を信じ、新しいことに挑戦してください」とエールを送った。

<アジア女子大学(AUW)> アジアの発展や安定のためには不平等な立場に置かれてきた女性へ高等教育を与え、リーダーを育てることが必要−という世界銀行や国連教育科学文化機関(ユネスコ)などの提案で、2008年にバングラデシュ・チッタゴンに設立された国際大学。ほとんどの学生が奨学金を受給。JKSKは09年と14年の入学者各5人に、1人あたり年間20万円を5年間支援している。

 

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