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【首都圏】

エコと復興 希望の炎に 「バイオメタンで聖火を」石巻で点灯

子どもらが作ったバイオメタンが燃えるミニ聖火台を囲む多田准教授(右手前)、友野さん(左)、宮原さん(左から2人目)=宮城県の石巻市総合運動公園で

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 全国の子どもたちに生ごみを発酵させてメタンガス(バイオメタン)を作ってもらい、ガスを燃やした火で二〇二〇年東京五輪の聖火をともそうという活動が、東日本大震災で被災した宮城県石巻市などで広がっている。東京都品川区の小学校や横浜市の高校などでバイオメタン作りが始まっており、七月下旬には石巻市が借り受けている一九六四年東京五輪の聖火台がバイオメタンの火で点火された。(増井のぞみ)

 活動は、東北大(仙台市)大学院農学研究科の多田千佳准教授(43)=環境微生物学=が、ごみを再利用する循環型社会への理解促進と、生ごみからメタンガスを作るシステムの構築に役立てようと発案した。バイオメタンで聖火をともす企画は、五輪組織委員会に提案されており、実現するかどうかは「演出家次第」との返答だったという。

 バイオメタンの利用は三年前、宮城県大崎市にバイオメタンの火で湯を沸かすカフェを設けることからスタートした。昨年三月には、二〇二〇年東京五輪の聖火リレーの出発地として名乗りを上げている石巻市が借り受けた旧国立競技場の聖火台がバイオメタンを使って点火された。

 今年七月二十二日には、約六十リットルのバイオメタンを使ってミニ聖火台で赤い炎を八分間燃やし続け、その火で石巻市総合運動公園に設置された聖火台に点火するイベントが開かれた。

 これに先立ち、東京都品川区立山中小学校の児童と親約四十人は六月の課外授業で、給食で出たメロンの皮とミートスパゲティ約一キロを使いバイオメタンを仕込んだ。イベントに参加した同小元副校長の宮原元(はじめ)さん(61)から点火のことを聞いた三年の藤沼良光君(9つ)は「生ごみで作ったガスの火が、聖火になるとは」と喜んだ。

 関東学院高校(横浜市)一年生約二十人もバイオメタン作りに取り組んだ。生徒を指導した関東学院大の友野和哲(かずあき)講師(38)は「バイオメタンの製造技術は資源の少ない日本に必要。これからも生徒と作り続けたい」と意欲を見せた。

 多田准教授によると、四十七都道府県すべてで協力が得られた場合、一県につき二リットルのペットボトル四百九十本分のバイオメタンを作ってもらって集めれば、聖火台を一時間ともすことができるという。

 多田准教授は「バイオメタンで聖火をともせば、生ごみから作ることを通じて多くの人が五輪に参加できる。資源を再利用する循環型社会の意識付けになれば」と期待した。北海道から沖縄まで全国二十四カ所でバイオメタンを作る体験学習を計画しているという。

 <バイオメタン> 生ごみや家畜のふん尿などに、細菌を加えて温度35度で管理すると気泡となってガスが発生する。このガスから二酸化炭素を取り除き、燃えやすいメタンガスだけにしたもの。

 

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