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【首都圏】

県外避難 協議進まず 茨城県の東海第二原発事故想定

27日投開票の茨城県知事選でも再稼働の是非が問われている東海第二原発=茨城県東海村で

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 茨城県東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発で過酷事故が起きた場合の県外での避難者受け入れを巡り、茨城県と近隣県との協議が進んでいない。茨城県の九市町は計約五十六万人の県外への避難を想定するが、他県の自治体から受け入れの了承を得たのは二市のみ。再稼働を左右する原子力規制委員会による新規制基準の適合審査が進む中、自治体の広域避難計画策定にも遅れが出ている。 (林容史)

 東海第二原発は首都圏唯一の原発。原発事故による避難対象は、同原発から三十キロ圏にかかる茨城県内の十四市町村の計約九十六万人。茨城県の広域避難計画では、県内の避難所で収容しきれない住民は、九市町の約五十六万人と想定している。

 だが、九市町のうち、避難所の提供など避難者の受け入れについて協定を結んだのは、茨城県笠間市と栃木県の五市町(今年三月)、茨城県日立市と福島県の十七市町村(同八月)にとどまる。

 千葉県内には水戸市の四万四千人、茨城県大洗町の全町民一万八千人、ひたちなか市の一万四千人の計七万六千人が避難する計画で、千葉県危機管理課は「隣の県として、できる限り協力する」と受け入れに前向きな姿勢をみせる。だが、協定を結んだ自治体はなく、現在は千葉県の二十二市町が水戸市など三市町と協議を続けている。

 茨城県が広域避難計画を策定した二〇一五年以降、千葉県内の市町村の担当者に対し、茨城県からの避難について説明があった。千葉県側からは、放射性物質に対する住民の不安を懸念する声が上がり、汚染検査や除染の徹底を求めたという。

 茨城県原子力安全対策課は「大きな問題もなく、協議は順調。細かい避難所の選定段階」と説明する。一方で今後、全ての避難所が決定し、市町の避難計画に記載できる時期については「相手方の意向もあり未定」と言葉を濁す。

 水戸市危機管理室の小林良導室長は「避難する人数が多く、協議する相手も多い」と作業に時間がかかっている理由を説明する。茨城県内では十四市町村に広域避難計画の策定が義務付けられているが、県の計画決定から二年半近くがたっているにもかかわらず、計画を策定できた自治体はない。

 小林室長は、具体的な避難先が決まらなければ市民に広域避難計画案が示せないとして、「市民の安全、安心のためスピード感を持って進めたい。避難先の相手方にも丁寧に説明していく」と話す。

 原電は一四年五月、東海第二原発の適合審査を規制委に申請、審査は大詰めを迎えている。来年十一月には原則四十年の寿命を迎えるため、原電は最長二十年の延長運転に向け、規制委への申請準備を進めている。申請期間は今月二十八日から三カ月間。

 

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