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【首都圏】

辺野古のジュゴンに焦点  基地問題を問う 横浜で30日から上映

「ZAN」のポスターを持ってPRする木佐美さん=横浜市中区で

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 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)への移設問題を、辺野古沖に生息する絶滅危惧種ジュゴンに焦点を当てて制作したドキュメンタリー映画「ZAN(ザン) ジュゴンが姿を見せるとき」(七十三分)が三十日から、横浜市中区の映画館「シネマ ジャック&ベティ」で上映される。ジュゴンを通して、「本当に守るべきもの」を考えてほしいという。(志村彰太)

 「ザン」は沖縄の言葉でジュゴンを表す。映画は、自然保護団体や地元住民、抗議活動参加者ら計二十人以上へのインタビューと、辺野古沖の豊かな自然の映像で構成。高精細カメラで撮影し、海中の壮大さが眼前に迫る。

 取材とナレーションを担当した木佐美有(ゆう)さん(36)は「辺野古を守ろうとする人の多くは、ジュゴンを守ることが海や自分たちの生活を守るのにつながると考えていた」と振り返る。特に印象的だったのは「ジュゴンは誰も攻撃してこない。ジュゴンのように無防備に生きることが平和をつくる」と地元の人に言われたことだった。

 独立行政法人の米国事務所に勤務するなどしていた木佐美さんは帰国後に東日本大震災を経験し、「自分の生き方を問い直した」。新興ニュースメディアやIT会社を経て、二〇一五年に独立。沖縄に離れて暮らす父が辺野古で抗議活動に参加していると知り、会いに行った。ちょうど、翁長雄志知事が辺野古埋め立て承認を取り消し、国と争い始めた時期だった。

 父に連れられた先で、「ザン」の撮影を始めたばかりだった映画監督リック・グレハンさんに出会い、意気投合。北アイルランド出身で、アイルランド共和軍(IRA)による独立運動を間近に見ていたグレハンさんは、「周辺地域の犠牲の上に支えられている国」という構造が、出身地と沖縄で重なって見えたという。

 原発事故後の福島を訪れた経験がある木佐美さんも、同じ問題意識を持っていた。一六年二月からグレハンさんの撮影に参加し、五十人以上に取材した。木佐美さんは「こうしている間にも辺野古の工事は進んでしまう。緊急性は高い」と訴える。

 上映は、十月六日までの毎日午後三時四十五分から。反響次第で期間を延長する。三十日と十月一日は、木佐美さんとグレハンさんの舞台あいさつがある。

 自主上映会などの問い合わせは公式ホームページ(「ZAN ジュゴン」で検索)へ。

 

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