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【首都圏】

広がる「たかたのゆめ」 横浜の小学校など 農業など復興授業に力

「たかたのゆめ」発祥の地でコンバインに乗って稲刈りをする山本美和副校長。左は生産者の金野千尋さん=岩手県陸前高田市で

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 東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市でブランド米「たかたのゆめ」の稲刈りが行われた。九月下旬に開かれた「稲刈り式」には、横浜市青葉区の市立青葉台小学校で二〇一四年に市内で初めて「たかたのゆめ」を使った授業を行った山本美和先生=現・旭区上川井小副校長=が現地を訪れ、コンバインに乗って本格的な稲刈りを初体験。横浜市内の学校では陸前高田市と「たかたのゆめ」を応援する動きが広まっている。(小寺勝美)

 山本副校長は、種もみが栽培された「発祥水田」で黄金色のたわわに実った稲穂を鎌を使って手刈りした後、金野千尋さん(66)のサポートを受けてコンバインで刈り取っていった。青葉台小で授業を行った年から誘いを受けていたというが、「秋は行事などが立て込んでいて時間が取れませんでした。やっと念願がかないました」と稲穂を手に満面の笑みで語った。「ほかの教職員への刺激になる」という山田アイ子校長の後押しもあって実現した。

 山本副校長は青葉台小で五年生の担任をしていた時、児童の自宅学習ノートで「たかたのゆめ」の存在を知りすぐに陸前高田市に走った。市役所や種もみを栽培した金野さんを訪ね、市民の体験や復興への苦労話を取材し、授業に役立てた。「義援金を送るだけではなく、具体的になんとか復興の役に立ちたいと思っていました」と振り返る。

 横浜市では青葉台小に続いて相武山小(港南区)、飯島小(栄区)、左近山小(旭区)の三校で「たかたのゆめ」の総合学習を実現している。さらに、この四学校では植物イノベーションセンターの研究員らが出向いて、たかたのゆめを使って米の性質を学ぶ「理科教室」を開いている。

 また昨年から始まった陸前高田市の農家に泊まり込みで農作業体験する「民泊修学旅行」プロジェクトには、神奈川県の高校が多く参加。県立光陵高校(横浜市保土ケ谷区)や同新栄高校(同市都筑区)など、ろう学校も含めて八校の二十人程度から三百人規模の生徒が体験した。飯島小の児童十二人も今年八月、小学生としては初の民泊を体験した。

 こうした動きに、パイオニア的な役を果たした山本副校長は「毎年毎年、陸前高田や『たかたのゆめ』に関心を持ってくれる学校が増えてうれしい。陸前高田と農家の苦労を分かる人が少しでも増えれば」と話している。 

<たかたのゆめ> 日本たばこ産業植物イノベーションセンター(静岡県磐田市)が開発、保存していた新種「いわた13号」で、2012年に陸前高田市に寄贈、公募で命名された。同年に試作、翌13年から本格的な生産が始まった。市は「たかたのゆめ」を復興の柱となるブランド米と位置付けて栽培指導しており、農家とともにブランド化研究会を結成、農家に作付けを奨励している。

 

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