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【首都圏】

<談論誘発>都の課題に腰を据えて 「希望の党」敗北小池都知事に一言

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◇明治大学大学院教授・青山やすし(あおやま・やすし)氏

 自民の圧勝に終わった先の衆院選。小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党は敗北した。小池知事は先の両院議員懇談会で「都政にまい進したい」と語ったが、当然ではないだろうか。

 この場合、小池知事が留意すべきことは、都政の各分野における政策について、今後五年、十年にわたる展望や道筋を、具体的にイメージすることだと思う。

 二〇一六年のブラジル・リオ五輪四百メートルリレーで、銀メダルに輝いた飯塚翔太選手は「これから走るコースを見ると、自分の足跡がどこにつくか、あらかじめわかる」と言ったが、結果を出す人はそういうものかもしれない。

 都庁の有能な職員はそれぞれの分野で、どういう手を打てば社会がどうなるか、それなりに知っている。この人たちの「知見」を、知事自身が活用すべきだ。都庁外の専門家を集めて意見を聞くのもいいが、まず都政の現場を知る職員の意見をよく聞き、自らが政策を組み立てる方が早道ではないだろうか。私はかつて副知事を経験しており、それは言えると思う。

 都庁は巨大組織で、都政の課題も多岐にわたっている。定期的に選挙の審判を受ける政治家はともすればその場しのぎの策に飛びつきがちだ。不人気に見える政策でも、あるいは自分の政治家としての票に結びつかない政策でも、中長期的な視点で見れば、結局は東京のため、都民のために役に立つ政策は多い。それは何かを、冷静に考え取り組むことが大切だ。

 例えば、都営地下鉄の大江戸線は、鈴木俊一知事時代に計画したころは「今さら長大な地下鉄路線をつくるのか」と反対論が強かった。それが完成した時、当時の石原慎太郎知事は工事契約に疑念があると発言、撤回したりした。今日、大江戸線は放射状に延びる東京の各鉄道路線をつなぐ環状線を形成、都民らの足として機能している。

 首都高速道路の「山手トンネル」や羽田空港の「第四滑走路」の建設・本格的国際化は石原知事時代の事業で、後の知事の時に完成した。これらは、当時の選挙対策としては全く効果がなかったと思うが、後世のために着手されたプロジェクトだった。ディーゼル車の排ガス規制も、自動車メーカーをはじめ、業界の抵抗は強かった。都も少なからぬ経費を要したが、いまの東京の空気をいかにきれいにしていることか。

 次の世代の人たちが活躍できる社会づくり、そして見合った都市基盤を整備する。小池知事には、腰を据えて取り組んでもらいたい。

 1943年生まれ。東京都職員を経て、石原慎太郎都政時代に4年間副知事。自治体政策や危機管理など専門

<「希望の党」と小池都知事> 先の衆院選前の9月25日、小池氏は希望の党の結党記者会見で「都政と国政にシナジー(相乗)効果が生まれる」と強調。自ら党代表に就いた。先の都議選では自民党を破り、自ら立ち上げた地域政党「都民ファースト」が圧勝、第一党に躍り出たが、都の関係者からは「国政対応に力を割く分、都政には力を注ぎにくくなるのでは」と心配の声が上がった。築地市場の豊洲移転など多くの課題があるからだ。今回の衆院選は、都内で25選挙区のうち23選挙区に候補者を擁立したが、小選挙区の当選はただ1人だった。  

 

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