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【首都圏】

東京をアジアの頂点へ 都の国際金融都市構想 安東泰志顧問に聞く

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 東京を再びアジアナンバーワンの国際金融都市にしようと、有識者らによる都の懇談会は十月、海外企業の誘致などに向けた最終提言をまとめた。都は十一月に「東京版金融ビッグバン」として具体的な取り組み方針を打ち出す。懇談会の運営にかかわった投資ファンド会長で都顧問の安東泰志氏に、提言の意義などを聞いた。 (聞き手・榊原智康)

 −提言では、官民一体で企業誘致に取り組む組織の設立を盛り込んだ。

 これまでは全国銀行協会や日本証券業協会、日本投資顧問業協会など、業界ごとに縦割りの組織しかなかった。これらの業界が横断的に一つの組織として「東京市場」を世界でアピールする。意義は非常に大きい。

 −環境、社会、企業統治に配慮した投資(ESG投資)などを通じて、社会的課題の解決に貢献した企業を表彰する「東京金融賞」の創設を提言した。

 ESG投資をする投資家を増やせば、ブラック企業が減るとか、環境問題が解決するなどの効果が見込める。例えば、画期的なグリーンボンド(資金の用途を環境分野に限った債権)を発行した企業などが表彰の対象になる。

 −国家戦略特区を活用して金融関連企業の税負担を軽減し、企業誘致につなげる方針も掲げた。

 資産運用業とフィンテック(ITを活用した新金融サービス)に関し、国は特区を使って法人所得を20%控除することを検討している。加えて、都税の法人二税を全部減免できれば、実効税率は約21%まで下がる。ロンドン(20%)やシンガポール(17%)、香港(16・5%)には及ばないが、十分に(企業誘致で)戦える。

 −法人二税の減免についての見通しは。

 都の予算編成で来年度はどこまで減免するのか、全面的にやるのか。それはこれからの検討だ。

◆情報発信組織新設など「あり方懇」が最終提言

 都の「国際金融都市・東京のあり方懇談会」(座長・斉藤惇KKRジャパン会長)は、銀行や証券などの業界団体幹部、有識者ら十六人と小池百合子知事がメンバー。昨年十一月から議論を重ね、十月中旬に税負担の軽減、官民一体で情報発信などに取り組む組織の設立、新興資産運用会社の育成プログラム導入、社会的課題の解消に向けた金融サービスの表彰制度創設などを提言した。

 小池知事は十一月十五日からシンガポールに出張し、投資家や企業経営者らが集まるイベントに出席。都の取り組みを説明し、トップセールスで企業誘致を働きかける方針。

<あんどう・やすし> 1981年に三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。ロンドン支店や投資銀行企画部などを経て、2002年に投資会社フェニックス・キャピタル(現ニューホライズンキャピタル)を創業。三菱自動車など約90社の事業再生に取り組む。昨年9月から都顧問を務める。59歳。

 

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