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【首都圏】

里親 どう増やす?支援は… 都内で児相と弁護士ら勉強会

愛着障害がある子どもの悩みに向き合う方法をヘネシーさん(中)から学ぶ児相職員ら=都内で

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 虐待などで保護された子どもを施設ではなく、里親家庭で育てる取り組みに、国は本腰を入れようとしている。だが、里親をどう増やし、どう支援するのか、現場では戸惑いの声も強い。十月下旬、東京都内で開かれた児童相談所職員や弁護士らでつくる「子ども研究会」の勉強会をのぞいた。 (木原育子)

 「日本もようやく変わる。国が本気になってうれしいけれど、準備がないまま計画が進めば頓挫する」。勉強会では、講師の東京福祉大名誉教授(社会福祉学)ヘネシー・澄子さん(79)=米コロラド州在住=がそう言って心配した。

 国は今夏、就学前の子どもは原則として乳児院や児童養護施設に入所させず、里親への委託を優先する方針を決定。二〇一六年三月末で17・5%だった里親委託率を、就学前の子どもはおおむね七年以内に75%に、就学後は十年以内に50%に引き上げる目標を掲げた。

 ヘネシーさんが「現場の意見を聞きたい」と語りかけると、都内の児相職員は「里親は幼い時から育てたいとの思いが強いが、実親と暮らせない中学・高校生の一時預かりをお願いすることは多い。里親の数を増やすだけでは不安だ」と語った。

 「里親は、児相に相談すると『里子の委託を中止させられるかもしれない』と考えて、気軽に相談できないようだ。児童『相談』所なのに…」「東京は児相が抱えている案件が多い。里親をどう増やすのか、議論が必要だ」などと意見が相次いだ。

 ヘネシーさんは「たとえ両親ではなくとも、誰か一人でいいので心から信じられる大人に出会えれば、子どもはまっすぐに育つ。誰もがその一人になりうる」と話した。

 勉強会では、親の愛情を受けずに育ったことで、コミュニケーションが取りにくいなどの影響が生じる「愛着障害」について、参加者同士が三人一組になり、子どものSOSを会話から引き出す技術も学んだ。

 研究会は二十年ほど前に結成し、定期的に勉強会を開いている。代表の斉藤幸芳さん(67)は「里親を増やすだけではなく、里親さんからの相談に的確に対応できる職員のスキルアップや、相談体制の構築も必要だと思う。目標を達成するために、社会全体で考えていけたら」と話した。

 

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