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【首都圏】

<談論誘発>幼児教育は重要日々確実に成長 子どもの「やりたい」大切

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◆建築家兼学習塾経営・金子広明(かねこひろあき)氏

 先日、「談論誘発」に主体性を重んじる「モンテッソーリ教育」が再び注目されている話が載った。子どもたちがいかに主体的に「やる気」を持って学習に取り組めるか。私は建築家の傍ら、今春から中学受験を必ずしも重視しない学習塾を始めた。

 学生時代から教育に興味があった。教育の場に戻って子どもたちに社会人から伝えることが重要と考えた。希望ある明るい将来を描いてほしいとの思いもあった。

 多くの子どもたちは大人の価値観を押しつけられ、指示されることに疲れているように感じる。押しつけの勉強は最小限にとどめ、興味のあることに熱中する自由な時間を確保する。これは、集中力や想像力を育てる上で、最も大切ではないだろうか。

 そんな思いでいた時、たまたまモンテッソーリ教育と出会った。この教育は大人の都合で途中で手助けしたり、やめさせたりしない。子どもにはもともと育つ力が備わっており、自然に自分を成長させ、達成感を得て自信をつける。そして主体的に学ぶ。

 大方の子どもは好奇心が強く、何かへの苦手意識など持っていない。むしろ大人たちが楽しく学び成長する可能性をじゃましている。多くの教育現場が、子どもに合ったペースで学べる環境を整えていく必要があるだろう。

 これには、保護者の理解も大切だ。私たちが直接子どもたちと接する時間は限られている。幼児教育を系統立てて保護者に伝えていくことはこれまで少なかったが、成長の環境を改善するには、幼児教育の重要性を保護者に気づいてもらうことが効果的だ。子どもたちは日々確実に成長しているものである。むしろ、これからは大人たちがしっかりと学ぶ番である。

 課題はもうひとつある。幼児期にモンテッソーリのような教育を受けられれば効果的と思うが、受けなければ手遅れというものではない。多くの子どもは人の話を聞き、理解する能力を持つ。

 その能力を開花させるには子どもたちが何かを「やりたい」と思うことが必要だ。中学生になれば、自分を客観的にとらえ、自分の意思で自分を変えることができる人もいる。「やりたい」を育てるためには、キャリア教育が有用と考える。

 モンテッソーリ教育の現場をみると、子どもたちがやりたいと思った環境をとことんつくり出す。時間割もなく自由で、園児・児童たちは目を輝かす。教育とは本来、そういうものだろう。始めたばかりの私の学習塾も大いに参考にしたいと思う。

    ◇

 1975年生まれ。東京大学建築学科卒業後、設計事務所を主宰。今春、東京都内に学習塾「マナビエ」開設

◆モンテッソーリ教育

<三河主門氏(フリージャーナリスト)の意見要約>

 (1)イタリアの女性教育者マリア・モンテッソーリが考案・提唱したモンテッソーリ教育が各地で広がる。将棋の藤井聡太四段(15)らも学んだ。人気再燃の背景は何か。

 (2)横浜市の「マリア・モンテッソーリ・エレメンタリースクール」では、小学生が自らの興味で学びたいことを決めて研究に没頭。同校運営の学校法人高根澄子理事長は「この教育は生命への援助です」と強調する。

 (3)これは自信を積み重ねて自己肯定感が高まる。日本の公教育は転換を迫られており、教育の「本質」を捉え直してもよいのではないか。 (11月11日付)

 

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