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【首都圏】

観光協会が五輪へ進化 北区、今年発足 連携を重視

東京五輪を前に、新設された東京北区観光協会を紹介する坪内雄佑プロジェクトマネジャー=北区で

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 二〇二〇年の東京五輪・パラリンピック開幕まで千日を切り「わが街を世界に」と東京都内の観光協会が張り切っている。これまでのような観光施設のアピールにとどまらない、新たな発信の手法も目立つ。 (中村真暁)

 「地域が稼げる仕組みが必要。行政にはできないこともしていく」。情報発信を象徴するパラボラアンテナのマークの前で、プロジェクトマネジャーの坪内雄佑さん(26)が熱く語る。

 王子駅近くに事務所を構える「東京北区観光協会」は今春、業務をスタートさせたばかり。赤羽、十条といった庶民的な飲食店街が多々ある北区だが、目立つ観光資源にはやや乏しい。都によると、二十三区では杉並、荒川、江戸川区と並び、観光協会の「空白『区』」だった。

 東京五輪の開催決定などを受け、区は協会設立に動き出す。重視したのは人々の「連携」だ。事務局の隣に、交流拠点となる貸しスペースを本年度中にオープンさせ、机やイス、印刷機のほか、構内情報通信網(LAN)を整備。ライターや観光関係者らの活用を促し、交流、連携してもらう。インフルエンサーと呼ばれる発信力がある一般人らにイベント情報などを提供し、会員制交流サイト(SNS)などで広めてもらう試みも考えている。

職人の実演販売スペースも設置されている産業観光プラザ「すみだまち処」=墨田区で

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 既に実績を上げているのが、墨田区観光協会。区から委託され東京スカイツリーの麓にある広さ六百五十平方メートルの「産業観光プラザすみだまち処」を運営している。地元産品をPRする大規模施設で、週替わりで職人が実演するブースが好評。錺(かざり)職人の塩沢政子さん(73)は「お客さまに興味を持ってもらい、買ってもらえてうれしい」と満足そうだ。

 協会は区の補助金は一三年度から受けていないが、昨年度は黒字決算を達成。自治体など、年約二十件の視察がある。藤田悟事務局長は協会の運営資金の屋台骨になっているまち処について「この規模で、それなりに売り上げがあるのは二十三区でも珍しい」と胸を張る。

 渋谷区観光協会は、街の特徴を生かしている。昨年は、アーティストやクラブで活躍する人を夜の観光大使に任命した。街を歩くと、近くのイベントや店舗情報が受信できる公式アプリも公開。協会の堀恭子企画広報部長は「五輪・パラリンピックまでにアプリ開発を続け、さらに観光しやすく」と意気込んでいる。

 自治体や観光協会、観光関連会社でつくる日本観光振興協会DMO推進室の岩本裕美室長は「自治体から運営費が入る観光協会は、みな同じ様にしか紹介できず、つまらなくなりがちとの批判をよく受けてきた」と説明。「最近は、地方創生が意識されるようになり、外国からの買い物客が増えた。消費者の要望に応えようと情報を整理し、工夫している協会も見られる」と話す。

<観光協会> 地域の観光振興を中核的に担う団体。観光庁などによると、法的根拠や明確な定義はない。主に観光案内所の運営や地域の情報発信、イベント開催などを行い、そのほとんどが自治体と連携し、補助金を受けるなどしている。

 

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