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【首都圏】

<ニュース読者発>「みんなで戦争 葬送しよう」 江戸川の守屋さん

自身の書いた手記について話す守屋忠光さん=東京都江戸川区で

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 東京都江戸川区の無職守屋忠光さん(74)から、憲法を条文ごとに解説した本紙連載をまとめた書籍「いま知りたい日本国憲法」(二〇〇五年、講談社)を参考に手記「みんなで戦争を葬送しよう」を執筆しているとの手紙をいただきました。波乱に満ちた人生の中で育まれた平和への願いが、五百枚超の原稿用紙に刻まれています。

 守屋さんは宮城県女川町生まれ。終戦の二年前に生まれたため、戦争の記憶はありませんが、父親が傷痍(しょうい)軍人でした。「戦死者や戦争で障害を負った人がたくさんいた。こんな世の中に救いはあるのか、と考え続けてきた」といいます。

 漁師やバー経営を経て、三十代で上京。困窮して路上生活を送っていた時、見知らぬ少年に突然襲撃され、脳挫傷を負います。「少年は外国出身で、事件をきっかけに親から捨てられたようだ」。憎しみより不遇さが心に残っているそうです。

 現在は老人ホームで生活。事件の後遺症で鉛筆が握れなくなっていましたが、少しずつ回復してきたため、長年抱いてきた憲法や戦争への思いを書くことを決意しました。

 昨年書き始めた「みんなで〜」には、本や新聞で学んだ憲法の成り立ちや戦前・戦後史が、自身の分析を交えてつづられています。憲法の条文や意味、歴史的背景を調べる時に「いま知りたい日本国憲法」を重宝しているそうです。

 守屋さんが特に重視するのは「公共の福祉」を定めた一三条。自民党が改憲草案で「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に変えたことを知り「お国のために秩序を守らないと人権が保障されないように読める」と憤りを覚えました。

 執筆は今も続いています。本紙などを読み、いじめや原発事故の話題を取り上げることも。「全てのことが『戦争をなくしたい』という気持ちにつながっていますから」。毎日、一心に原稿用紙に向かう姿を、ホームの職員たちも温かく見守っています。 (大野暢子)

 

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