東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 首都圏 > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【首都圏】

沖縄の「いのち」見つめて 鹿野早大名誉教授が本出版

「日米地位協定」に関するシンポで話す鹿野さん=7月、東京都新宿区で

写真

 沖縄の戦後思想史を研究してきた早稲田大名誉教授鹿野政直(かのまさなお)さん(86)=千葉県御宿町=が「対談 沖縄を生きるということ」(岩波現代全書)を出版した。

 鹿野さんは三人の歴史学者と二年前、米軍普天間飛行場の移設先とする辺野古の新基地建設問題を巡る菅義偉(よしひで)官房長官の発言に抗議し、戦後の沖縄について公正な歴史認識をつくるためのアピールを出した。

 本書は、沖縄に根ざして文学を研究する琉球大教授新城郁夫さん(50)との対談。沖縄戦の経験が受け継がれ、米軍基地が集中する中で生きる沖縄びとが今も危険や被害に遭う過酷な状況にもっと「いのち」の思想が必要だと訴える。

 「本土」の人間がそんな沖縄の現実と向き合い「生きよう」とすることは、まず「本土でどう生きる」かが問われると強調する。しかし、負担軽減のために県外移設を実現させる「基地引き取り論」にはうなずかない。それは沖縄に差別構造を強いる日米安保体制に目を向けず、本土からそのような声を上げることは米軍基地再編の追認になりかねないと思うからだ。

 鹿野さんは四月〜七月、自ら本土でできることを実践した。早大を会場に「日米地位協定をよむ会」とシンポジウムを計六回主宰し、協定の条文をすべて読み、米軍基地の特権や「治外法権」などを議論した。

 「よむ会」には首都圏や京都、佐賀などから毎回五十人ほどが集まり、高額の思いやり予算など米軍優遇のあり方や協定の見直しが急務であることを学んだ。

 アピールへの賛同は今も全国から御宿に届き、二千百人を超えた。鹿野さんは最近、沖縄・辺野古や石垣島を歩いた。「沖縄について本土で何か声を上げ、見過ごしてはいけないという関心の高まりを感じる。(新基地建設反対を訴える)辺野古のテント村が二十六日に五千日目を迎えるが、もっと沖縄びとの粘り強さを学びたい」と話した。

 「対談 沖縄を生きるということ」は税別二千円。 (野呂法夫)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報