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【首都圏】

<三浦半島 山から海へ>(5)三崎・2 よみがえった奇跡の自然境へ

小網代の森の冬枯れした湿原。木道は誰でも安心して歩ける=神奈川県三浦市で

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 潮の干満で風景を一変させる干潟のマジック、覆いかぶさるような常緑の照葉樹林、谷戸の底を埋め尽くすアシやヨシの原を流れ下る小川のせせらぎ、鳥やカニ、その他の生物の楽園…。かつては三浦エリアのどこでも当たり前に見られた海岸近くの景観が、つい先年、七十ヘクタールの広さでよみがえった。

 京急の路線延長によるターミナル建設やゴルフ場などリゾート開発の計画があったが、この地の貴重さに気付いた先達が粘り強く保全を画策し結実した自然境。それが小網代(こあじろ)の森である。

 三崎口駅から車の行き交う車道脇を歩く。谷底へと下る手すりの付いた立派な階段が異界へのプロローグだ。下り着けば数分前の喧騒(けんそう)がうそのような静寂郷。林床にシダ類が生い茂り、天上を覆うような深い森の中に一本の道が延びる。川の源流風景から、早送りのように植生は移り変わり、いつの間にか開けて冬枯れした湿原の木道になる。海岸近くには木製のテラスがあり、休憩には絶好だ。

 干潟に立ち寄った後、湿原を外れ小さな峠を越える。海岸脇に三浦七福神のひとつ、白髭(しらひげ)神社が鎮座。たたくと乾いた金属音が響く「カンカン石」はぜひ一聴のほどを。ヨットなどが係留された岸壁からバス通りのある尾根に上がるが、その先も見どころが多い。戦国初期に三浦一族の終焉(しゅうえん)の地となった新井城趾、荒井浜のミニ海水浴場、油壺マリンパーク。各自の好みと時間の余裕に合わせて探訪するといい。(山岳ライター・樋口一郎)

 ※樋口さんの新著「鎌倉&三浦半島 山から海へ30コース」(東京新聞刊)発売中。

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 ●アクセス 往路・京急線三崎口駅、復路・油壺バス停から三崎口駅 

 ●歩行時間 1時間半

 ●アドバイス 冬枯れの湿原風景も乙だが、4〜5月の芽吹きから新緑の頃にぜひ再訪を。

 

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