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【首都圏】

<分かちあう>地域の食育、医療の担い手 徳島・吉野川 コミレス運動展開「さくらcafe」

地域住民の健康の維持・増進を目的に診療所の敷地に開設された「さくらカフェ」の店内=徳島県吉野川市で

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 食を通して地域の課題解決を図るコミュニティ・レストラン(コミレス)運動をコミレスネットワーク全国(世古一穂代表、東京都国分寺市)が展開している。「さくらcafe(カフェ)」(徳島県吉野川市)もコミレスの一つ。海外医療支援を続ける「さくら診療所」が開設した同カフェは自らの農園で作る有機野菜を使用し、環境問題をテーマにした講座も開設している。食育と医療と国際協力を実践する地域経済の担い手として注目を集めている。 (土田修)

 診療所に隣接するカフェでは日替わりランチのほか、パスタ、カレーなどを提供する。オーガニックコーヒーや野菜スムージーも人気。食材は農園の「さくらファーム」で栽培した野菜を低カロリー、薄味で調理している。カフェを運営する管理栄養士の新野和枝さんはコミレス運動に共鳴した一人だ。青年海外協力隊に参加しニジェールで活動した経験を持つ新野さんは「途上国の貧困の一因は地球温暖化です。コミレスは大量生産、大量消費に基づいたライフスタイルを見直す場です」と話す。

 「地球温暖化や原発事故を見ると健康被害に向き合うのに医療だけでは限界がある。経済成長を優先する社会を変えて小規模循環型社会をめざしたい」。さくら診療所の吉田修理事長(心臓外科医)はこう語る。一九八九年に青年海外協力隊に参加しマラウイ共和国で活動。その後、モザンビーク、ザンビアなどでも活動し、途上国支援の重要性を痛感したという。

さくらカフェを運営する管理栄養士の新野和枝さん

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 現在はザンビアで地域医療の支援を行う一方、現地の大学病院で心臓外科医の養成にも携わる。九三年には保健医療や農村開発の分野で海外支援を行うNGO「TICO(ティコ)」を設立、地球温暖化などをテーマに「地球人カレッジ」を開催している。

 地産地消の推進▽健康づくりの応援▽地域の食卓・地域の居間づくり−などの実践の場としてコミレス運動を提唱している世古さん(NPO研修・情報センター代表理事)は「コミレスは全国約百数十カ所あるが、女性の就労・子育て支援、高齢者・障がい者の雇用や自立支援など地域の課題に応じた取り組みの拠点になっている。中でも医療や介護、国際支援とつながるさくらカフェは次世代型の起業モデルといえる」と話す。「分かちあう社会」を展望するコミレス運動が果たす役割は増す一方だ。

<さくらcafe> 2012年に地域住民の健康の維持・増進を目的に開設。有機農業部門のさくらファームで栽培した野菜を使用し、地産地消やエコクッキングを実践。高齢者への弁当宅配サービスも行っている。月−土曜午前11時〜午後3時営業。日曜定休。電0883(42)5268。

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 社会的な目的を持って経済活動に携わる非営利団体や社会的企業、協同組合など「社会的経済」の担い手を随時紹介します。

 

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