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【首都圏】

被災地の母子支えた7年 東京の助産師ら活動終える

岩手県大船渡市の家庭を訪問して悩みを聞くジェスペールのメンバー(右)=2013年2月撮影

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 東日本大震災の被災地で活動していた、東京の助産師らでつくる一般社団法人「ジェスペール」が1月で解散した。不安を抱えながら子育てする母親たちの相談に乗ってきたが、地域の助産師たちの育児支援が盛んになってきたことで、一区切りつけることにした。 (小林由比)

 「復興は道半ばだが、私たちの役割は果たすことができた」。松が丘助産院(中野区)院長で、ジェスペール代表理事の宗祥子さん(65)は話す。

 二〇一一年の震災直後に、宗さんが所属する東京都助産師会が始めた「東京里帰りプロジェクト」が、活動のきっかけ。都内の助産師らが、被災地から避難してきた二十人以上のお産を受け入れたり、産後の相談に乗ったりしてきた。

 一方で、被災地に暮らし続けた妊婦や子育て世帯も少なくない。そこで、宗さんは一二年三月、ジェスペールを設立して岩手県大船渡市や陸前高田市などに助産師を派遣する活動を始めた。津波が襲った沿岸部では、助産師や保健師も多くが犠牲となった。「お母さんたちの孤立は想像以上だった」

「産後ケアの重要性を被災地で伝えることができた」と話す宗祥子さん=東京都中野区で

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 仮設住宅も訪問した。ベテランがいなくなった地域の若い助産師らには、ノウハウを伝えた。そうして大船渡市の「こそだてシップ」、岩手県が活動エリアの「まんまるママいわて」など産後ケアを担うNPO法人が、相次いで生まれた。

 福島県猪苗代町には、産後母子の滞在施設「会津助産師の家おひさま」がオープン。ジェスペールは、こうした団体のために助成金の申請や寄付金集めなどで協力した。

 「こそだてシップ」を運営する助産師の伊藤怜子さんは「ジェスペールに背中を押してもらい、困っている母子を支えることができた」と感謝している。宗さんは「震災を機にできた各地の団体が、なくてはならない存在になっていることがうれしい」と話す。各団体とはこれからもつながりを持ち続けるつもりだ。

 

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