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【首都圏】

お葬式「明瞭会計に」 横浜の住職が組織立ち上げ

地方住職会を設立した杉原慎了さん=横浜市中区で

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 「いくら布施を払えばいいか分からない」との声が多い仏式葬儀の「明瞭会計」化を目指し、横浜市青葉区在住の僧侶杉原慎了(しんりょう)さん(57)が、金額の目安を明示して葬儀を行う「地方住職会」を設立した。杉原さんは「利用者の信頼を得て、葬儀の文化を後世に残したい」と話す。

 杉原さんは会社員や企業経営を経験した後、「孤独だった自分」に向き合うため四十代で仏門に入った。五年ほど前、跡継ぎがいなくなった全福寺(岐阜県池田町)の住職を任されたものの、寺の屋根や壁は劣化して住むにはほど遠い状態。大規模な修理をする資金もなく、青葉区の実家で暮らしながら定期的に通って住職を続けている。

 地方では住職がいない寺が少なくない。元経営者の目線で理由を考えると、不透明な葬儀費のせいで利用者が減り、代わりに「明瞭会計」をうたう僧侶派遣サイトが台頭したのが理由の一つと気付いた。杉原さんは「派遣サイトを通じた依頼は仲介料を取られ、苦しい生活を送っている僧侶も多い」と強調する。

 そこで、会計の透明性を確保して仲介者を入れない葬儀の依頼が増えれば、地方の寺も維持可能になると着想。賛同者を誘い、昨年十二月に東京都と神奈川県の十四人で地方住職会を設立した。ほぼ全ての宗派をカバーし、サイトで「自宅葬は戒名(法名)授与を含め十万円」など布施の目安を明示。交通費など内訳もなるべく明らかにする。経済事情を考慮して目安以下の布施でも相談に応じるという。

 当面は両都県で依頼を受け、協力してくれる住職を全国から募って徐々に範囲を広げる。年内に一般社団法人にする予定といい、杉原さんは「このやり方なら、少ない費用でも葬儀はできる。葬儀社、ネット仲介と並ぶ、新しい選択肢を示す」と語った。問い合わせは地方住職会=電045(532)4295=へ。 (志村彰太)

 

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