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【首都圏】

「死にたい」若者と、どうつながる? 座間事件受け官民で取り組み

若い女性らと「つながる支援」のあり方を話し合う参加者ら=東京都渋谷区で

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 インターネットに「死にたい」などと書き込む少女たちを、悪意を持って近づく人からどう守ればいいのか。神奈川県座間市で、ツイッターに自殺願望を書き込んだ男女九人が犠牲になった事件を受け、取り組みが広がっている。 (木原育子)

 「事件を繰り返さないために、どうすれば悪意より先に支援の手が届くだろう」

 一月二十七日、更生保護会館(東京都渋谷区)の一室。若い女性に寄り添う支援ネットワーク「若草プロジェクト」が主催した研修会は、NPO法人「OVA(オーヴァ)」代表で精神保健福祉士の伊藤次郎さん(32)の問いかけで始まった。全国から支援団体の相談員や弁護士ら約四十人が参加。七グループに分かれて議論を始めた。

 検索サイト・グーグルで「死にたい」の言葉は月平均で二十四万回も検索される。伊藤さんは、グーグルで「死にたい」などと打ち込むと、支援サイトの広告が表示され、オーヴァにメールが送れる仕組みを二〇一三年につくった。課題は、ネット上で相談を受けてから、どう電話や対面相談などにつなげるかだという。「さまざまな団体のかかわりが必要」と語った。

 盛岡市から参加した支援団体代表の田端八重子さん(74)は、相談業務に三十年間携わった経験をもとに「女性は昔も今も、誰かに必要とされたいとの思いが根底にある。どうアプローチするかは永遠の課題だ」と指摘した。

 「妊娠検査薬など女性向け商品のレシートの裏に、支援窓口を印字して連動広告を出す」「家出少女が最も必要なのはスマホの充電器。支援拠点で充電できると知らせる」など、具体的なアイデアも出た。

 昨年十二月は、内閣府や警察庁など関係省庁の担当者と支援団体、ネット事業者のLINE(ライン)やグーグルの関係者が初めて意見交換した。自殺願望の言葉が検索された場合、支援窓口に誘導する仕組み作りの強化を申し合わせた。

 厚生労働省は一八年度当初予算案に、会員制交流サイト(SNS)での支援方法に関するガイドラインの作成や、研修の実施などで三十一億円を計上。東京都は同省のこの交付金を使い、LINEを活用した相談業務の試行事業として、八千万円を当初予算案に盛り込んだ。

 ツイッターの日本法人は一月十八日から、「死にたい」など自殺に関する言葉でサイト内を検索した場合、悩み相談に応じているNPO「東京自殺防止センター」が最初に表示されるよう仕様を変えた。

 若草プロジェクトの呼び掛け人で元厚生労働省次官の村木厚子さんは「『死にたい』とつぶやく女の子と上手に接点をつくっていきたい。不安な海におぼれかけている少女に『生きるブイ』を投げられる。そんな社会にしたい」と話す。

 

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