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【首都圏】

都立高生自殺 いじめ再調査は? 都検証チームの議論佳境

都教委が昨年9月に公表した報告書。「いじめがあったと判断することは極めて困難」と結論付けている

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 東京都立小山台高校一年の男子生徒=当時(16)=が二〇一五年に自殺したことを巡り、遺族の意向で設置された都の検証チームの議論が佳境を迎えている。「いじめの認定は困難」とする都教育委員会の調査が十分だったかを検証するのが目的。結論は、小池百合子知事が再調査の是非を決める際の判断材料になる。(唐沢裕亮)

 生徒は一五年九月、JR中央線大月駅(山梨県)のホームから飛び込み、電車にはねられて死亡した。遺書はなかった。

 生徒が短文投稿サイト「ツイッター」に書き込んだ内容や校内アンケートから、都教委はいじめの可能性を調べる必要があるとして、いじめ防止対策推進法に基づき、有識者らによる調査部会を設置。昨年九月に「いじめがあったと判断することは極めて困難」との報告書をまとめた。

 報告書に納得しない遺族側の意向を受け、都は昨年十一月、都教委ではない知事部局に、調査部会とは別の有識者による検証チームを設置した。昨年十二月には遺族側が、いじめ相談などに取り組むNPO法人の独自調査に基づく意見書を検証チームに提出した。

 意見書では、ほかの生徒の証言から、自殺した生徒が仲間外れの状態になっていたと指摘。生徒の言葉遣いがからかいの対象となっており、精神的な苦痛を受けていたとして「いじめの状況にある」とした。

 検証チームは今年二月まで八回の会合を開催。報告書と意見書を突き合わせるなどして、一〜二月は月三回ペースで議論を加速させている。都の担当者は「早く結論をという遺族の意向は聞いているので、何とか答えられれば」と説明する。

◆遺族と都教委 異なる見解

 いじめの調査を巡っては、文部科学省が指針で、新たに重要な事実が判明したり、教育委員会などの調査が尽くされていなかったりした場合に、自治体のトップが再調査を検討するよう定めている。

 他県では高校生の自殺を巡り、山口県知事が昨年十二月、鹿児島県知事が今年一月、それぞれ遺族と面会した後、自殺の背景についての再調査を決めた。文科省児童生徒課によると、都のように知事が再調査を判断するために有識者の検証チームを設置するのは珍しい。

 遺族側が提出した意見書では、自殺した生徒は「仲間外れの状況」と指摘。「仲間外れにされているとか、クラス内で無視されているなどの事実は認められなかった」とする都教委の調査部会とは見解が異なっている。

 調査部会は報告書で、任意の協力に頼らざるを得ないなど調査の限界にも言及した。意見書に新事実が含まれているか、都教委側の調査は十分だったかの観点から、検証チームがどう判断するかがポイントになる。

 

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