東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 首都圏 > 記事一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【首都圏】

<311メディアネット>東京新聞 身近な道具使い防災啓発

体験型イベントを通して防災の大切さを子どもたちに啓発するハンマーズの活動=東京都墨田区で

写真

 東京都墨田区の建設労働者二千八百人でつくる労組「東京土建墨田支部」の有志で結成した「自主防災組織ハンマーズ」。身近な建設道具や資材を使い、応急たんか造りやゲームなど約十種類の体験型コンテンツを生み出し、地域の避難訓練や行事で防災意識の啓発を行っている。

 倒壊家屋などから救助する際に用いるジャッキで台を持ち上げ、傾斜を付けて球を転がす「コリントゲーム」は、道具の使い方を楽しく学べる。区内でのイベントで遊んだ大滝周平君(6つ)=区立言問(こととい)小1年=は「小さくても、重たい台が持ち上がってすごい」と笑顔を見せた。副キャプテンの村山紀親(のりちか)さん(48)は「防災倉庫に眠る道具を、遊びを通じて身近に感じてもらいたい」と説明する。村山さんは宮城県石巻市出身。東日本大震災で親戚や知人が亡くなっている。

 大震災では、東京でも負傷者や家屋損壊の被害が発生した。組合員は震災前も防災訓練で救助を披露していたが、来場者は見ているだけのことが多かった。「震災時に人に頼れるとは限らない。一人一人が自分で命を守るようにするにはどうすべきか」と考え、二〇一四年十一月に実践重視のハンマーズを結成。大震災被災地の福島、岩手県も訪れて、支援活動や交流を続け、議論や勉強会を何度も重ねてきた。

 買い物中や仕事中など、いつ震災に遭っても、「中心となって近くの人と助け合おう」がメンバーの合言葉。村山さんは「火災報知機が鳴っても、人は誤報と思いがち。災害への危機意識を恥ずかしがらずに持ち、その大切さを伝え続けたい」と、熱く語る。

     ◇

 東京都墨田区は平地が広がるため、水量の多い荒川が氾濫すると、ほぼ全域での浸水が予想される。東京都が2月に公表した震災時の「地域危険度」では、古い木造住宅が密集する北部で、総合危険度が最も高いランク5と、それに次ぐ4に指定された地域が数多くあった。 

<記者メモ> 地震災害などが続く中、「防災への関心の高さは感じるが、備蓄にばかり気がいきがち。意識が高まったとは言えないのでは」と村山さんは言う。災害時にどこで落ち合うか、何を持って逃げるかなど、家族や地域の人と議論や相談を重ねる大切さを忘れてはならないと感じた。 (東京新聞・中村真暁)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報