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【首都圏】

<311メディアネット>京都新聞 外国人向けに日本語講師ら 防災用語やさしく

災害時多言語支援センターの設置訓練。国際交流協会のスタッフたちが、6カ国以上の言葉で情報を発信した=京都府京丹波町・町立中央公民館で

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 「避難勧告」「余震」「身の安全を確保する」。災害時の専門用語は、日本語が母語でない人にとって耳慣れない言葉が多い。京都府内の日本語教室講師らでつくる「やさしい日本語有志の会」(京都市)では、外国人や外国出身者が多い地域向けに、防災用語を分かりやすい表現に変換する講座を開いている。

 観光都市の京都では、定住外国人約五万人に加え、訪日客も年間三百万人に上る。外国人も犠牲となった東日本大震災後、外国人が働く工場地帯や結婚を機に来日した外国出身女性が多い地域など、全国から出前講座の依頼が舞い込む。

 二月二十五日、京都府京丹波町で「災害時多言語支援センター」設置訓練が開かれた。震度6の地震が発生したとの想定で、国際交流協会のスタッフらが行政発表の被害状況や支援情報をやさしい日本語に置き換えた。津波を<とても高(たか)い波(なみ)>に、「安否を確認する」を<大(だい)丈(じょう)夫(ぶ)か聞(き)く>に。避難所は<逃(に)げるところ>と言い換える。

 訓練に参加したインドネシア出身の会社員和田リリンさん(51)は「災害の時に知らない言葉ばかりだとパニックで動けない。簡単だと安心するし、すごく助かる」と話す。

 やさしい日本語有志の会では、防災冊子の監修や行政関係者向け講習にも力を注ぐ。同会事務局長の杉本篤子さん(59)は「やさしい表現は子どもや高齢者、障害者にも伝わりやすい。ユニバーサルデザインとして活用してほしい」と願う。

 ◇ 

 減災のための「やさしい日本語」は、弘前大人文社会科学部(青森県)の佐藤和之教授が提唱。言い換えの基本原則として「重要度が高い情報だけに絞り込む」「難解な語いを言い換える」など5項目がある。詳細は、ホームページ、減災のための「やさしい日本語」で閲覧できる。

<記者メモ>  東日本大震災で被災したフィリピン出身女性に取材した際、言葉の壁で同胞が津波の犠牲となった無念さを語っていた。外国出身でも言語や背景はさまざま。災害時は英語を使うよりも簡単な日本語の方が伝わるケースも多いという。

 (京都新聞社・今野麦)

 

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