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【首都圏】

<311メディアネット>神奈川新聞 相模原 団地内避難、定着図る

自治会連合会長の瀬尾守一さん(左)と防災マニュアルを確認する竹内一三さん=昨年12月5日、相模原市で

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 高度成長期以降、大都市郊外に開発された大規模団地。その一つ、相模原市南区の相武台グリーンパーク(約一千六百世帯)は東日本大震災後に避難対策を大きく見直した。住民の高齢化も踏まえ、被災後もなるべくとどまる「団地内避難」の定着を図っている。

 五階建てが約四十棟連なる敷地の各所に立つ「一時避難場所」の看板。駐車場や広場など、七つある街区ごとに独自に定めた災害時の集合場所だ。日ごろ共通の階段を利用する一〜五階の計十世帯を共助の最小単位として、安否確認や被害状況の集約を行う。

 その後、市の指定避難所へ向かうのではなく、団地内で生活を続ける。可能な人は自宅に戻り、無理なら和室のある集会所に−。

 自治会と管理組合が二〇一四年一月に発足させたグリーンパーク災害対策合同委員会の委員長として、見直しの旗を振った竹内一三さん(71)が理由を説明する。「団地住民が押し寄せると、避難所がパンクしてしまう。在宅避難かそれに近い形ができれば、住民の負担も少ない」

 グリーンパークには約四千人が居住するが、市指定避難所の中学校で受け入れ可能な人数は一千二百九十人にとどまる。一定の耐震性がある団地そのものを「サブ避難所」と位置付け、全体訓練を重ねながら住民に意識の転換を呼び掛ける。

 「家具を固定し、不要な物は捨てて」。防災士になった竹内さんは住民向けの講座も開き、在宅避難に不可欠な自助の徹底も促す。

 ◇ 

 1980年に入居が始まった相武台グリーンパークは神奈川県中央部に立地。かつて5600人を超えた住民は若者の転出で減少、高齢化も加速する。避難対応の見直しを検証する初回の訓練には約1500人が参加したが、住民の関心維持が課題という。

<記者メモ>  懸念される首都直下地震や南海トラフ地震は、いずれ現実となる。備えは万全ではないが、東日本大震災後に意識が芽生えた地域は少なくない。共助を見直す中で気付く自助の大切さ。地道な実践や試行錯誤を重ねていくしかない。

 (神奈川新聞社・渡辺渉)

 

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