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【首都圏】

<しみん発>お寺で介護者支援活動 亀有介護者サポーターの会・下村達郎さん(36)

介護者サポーター入門講座で、車座になって語り合う参加者ら=東京都葛飾区亀有の香念寺で

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 高齢化が急速に進む中、介護者を取り巻く環境は年々厳しくなっている。こうした人たちを支える活動を続けている「亀有介護者サポーターの会」(東京都葛飾区)は地域のお寺を会場に、介護をテーマにした映画の上映会や講演会などを開催する。下村達郎代表(36)は「介護者や家族が孤立せず、お互いに支え合い、共に暮らす社会をつくりたい」と話す。地域に開かれたお寺の在り方を模索している。 (土田修)

 下村さんは、同会が活動の拠点としている浄土宗・香念寺の住職。二〇一六年十一月に会を発足させたのは、「お寺が市民活動の場を提供できれば」と考えてのことだ。「介護に関わる人たちがさまざまな人たちと交流し、協力し合うことが大切です。檀家(だんか)や信者だけでなく、一般の人たちにも参加してほしい」

 隔月で開催している「介護者の心のやすらぎカフェ」では、介護に苦しむ人や関心を持つ人が自分の状況や体験について意見交換する。時には専門家を交えて、介護者を地域で支える在り方について考えることもある。「お茶とお菓子を囲んでくつろいだ雰囲気で語り合う場です。皆、誰かに話を聞いてもらうだけで心がやすまります」

 今年一月には、市民団体との共催で、「老い」と「死」をテーマにした映画「まなざし」(卜部敦史監督)を上映した。父の介護を通して社会から孤立していく主人公の娘の姿に、参加者らは“介護の現実”を痛感したという。「五十人以上の参加者があり、地域での支援ネットワークを拡大するうえで、お寺の役割の重要性も感じました」

 また、二月三日に香念寺で開催した介護者サポーター入門講座では、医療現場などで介護者支援の活動を続ける臨床仏教師の伊藤竜信さん(西蓮寺住職)が参加者らと「傾聴」を実践。「相手の話を耳と目と心で“聴く”ことで、介護者を理解し“苦”を和らげることができる」と話した。

 下村さんは、地元の有識者が集まる「地域ケア会議」に参加するなど、地域との連携強化を模索する。「声の届く相手が一人でも増えれば」との思いからだ。「『生老病死』と『共生』を考えるのが仏教の教えです。活動を通じて『共に生きる』地域づくりを推進したい」

 <しもむら・たつろう> 1982年3月10日、東京都生まれ。東京大学医学部健康科学看護学科卒業後、2007年から香念寺住職。16年11月に「亀有介護者サポーターの会」結成。「カフェ」は隔月(奇数月)で原則第三火曜日に開催。問い合わせは、konenji378@gmail.com

 

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