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【首都圏】

管理組合の実態ないマンション 文京区が設立サポート

管理組合を設立させて取り組んだ、鳥のふん害対策などを説明する長永都子理事長=埼玉県富士見市で

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 管理組合の実態がない分譲マンションは、東京都内に少なくとも六百棟あるとされる。文京区は四月、マンションの管理組合設立を支援する「マンション管理士」の派遣を始めた。組合設立を目的とする派遣は東京二十三区で初めて。組合が存在する意義とは? 管理不全に陥りかけた埼玉県富士見市のマンションを訪ねた。 (中村真暁)

 マンションは鉄筋コンクリート造の七階建てで三十四戸がある。築三十一年だが、管理組合が設立されたのは二〇一五年二月で、約三年前だ。新築の際、通常は管理会社が開く設立総会がなかった。

 管理費の一方的な値上げ通告が、設立のきっかけ。管理会社が一四年春、月三千円増を所有者に通知、排水ポンプの修理のためと説明された。既に月一万円を払っており、所有者の長永(ながえ)都子さんは「納得できない」と説明を求めたが、管理費の使途は明かされず、修繕積立金も底をついていたことが判明した。

 長永さんは、他の所有者と組合設立の必要性を確認。専門家などに相談し、マンション管理士らの助言を受けて組合の発起人を募り、一四年の秋に初めて集会を開いた。「当初はどうすべきかも分からなかった」と振り返る。

 設立後は別の会社に管理を委託、駐車場への不法投棄や鳥のふん害防止などの課題に取り組んだ。保険などの勉強会を開き、管理規約の改正も実施。修繕積立金もたまった。「組合がなければお金の流れも不透明。暮らしやすくするためには、絶対に組合は必要」。現在は理事長を務める長永さんは強調する。

     ◇

 東京都マンション管理士会によると、必要性が認識されていないなどの事情で、組合が未設立の場合がある。都の実態調査(一三年公表)では、分譲マンションの6・5%が「組合がない」と答えた(回答率17・1%)。

 文京区は、組合の実態がないマンションが区内に百三十棟あると想定。二人以上の所有者の申請で、マンション管理士を年四回まで無料派遣し、組合設立を支援する。

 管理士会都心区支部長の平田英雄さん(61)は「マンションを運営する体制がないと、修繕費の未収や不足が起きたりするが、所有者に問題意識がないことも。管理不全に陥ったマンションはあまり把握できておらず、行政は実態を調べた上で、対応する必要がある」と指摘する。

<マンション管理組合> 分譲マンションの建物や敷地、付属施設の共用部分の維持管理を目的に、所有者全員で構成する団体。区分所有法に基づき、少なくとも年1回総会を開き、理事長ら役員の選任や予算案の作成、会計報告などを行うほか、トラブルなどについて話し合う。業務の一部を管理会社に委託するケースが多い。法律上は必ず存在するが、設立総会が開かれないなどで実態のないケースがある。豊島、板橋区などは、管理状況などの届け出を条例で義務づけている。

 

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