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【首都圏】

中台対立の最前線「金門島」舞台 映画「軍中楽園」 渋谷、横浜で上映中

ニウ・チェンザー監督

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 中国と台湾が対立し、かつて攻防の最前線だった金門島に実在した娼館を舞台に若い兵士の苦悩や男女の不条理な運命を描いた台湾映画「軍中(ぐんちゅう)楽園」が東京と横浜で上映されている。

 「注目される朝鮮半島の板門店と同じように、両岸が緊張した時代の映画作りは、私の人生に与えられた任務だった」とニウ・チェンザー監督(51)は話す。

 島は中国大陸から一・八キロの至近距離にあり、福建省厦門(アモイ)市に所属する。だが一九四九年の内戦中に〓介石率いる国民党側が実効支配し、現在に至る。奪取に向けた中国共産党の砲撃は七〇年代末まで続いた。

 監督は二〇〇四年、元兵士の手記に感銘。戦場で苦労した若者の姿を伝えようと準備を進めて製作した。

 映画は六九年、島に派遣された台湾831部隊の青年兵が軍が運営する娼館で働きながら、男女の欲望や純愛、偽り、殺害の人間模様を見つめながら成長していく内容だ。

 映画作りは、台北生まれの監督自身が「何者か」を考える旅ともなった。北京出身で軍人の父は四九年に〓介石とともに台湾に渡った。その「中国難民」の世代が抱いてきた望郷の念と悲しみに向き合い続けた。

 「私は台湾の独立派でも国民党派でもない。北京のことも思う」と明かす。慰安所という繊細なテーマには「歴史を直視し、認めることが大事。運命という不条理や残酷さを繰り返してはならず、希望を失わずに生きる強さを持とう、と伝えたい」と語った。

 ユーロスペース(東京都渋谷区)とシネマ・ジャック&ベティ(横浜市中区)で公開中。いずれも映画の終了日は未定。 (野呂法夫)

※〓は、草かんむり下に將

 

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