東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 首都圏 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【首都圏】

伝えられなかったヒロシマ・ナガサキ 見捨てられた被爆者に焦点

小冊子「南を考える15−伝えられなかったヒロシマ・ナガサキ」

写真

 明治学院大学国際平和研究所(東京都港区、高原孝生所長)は、小冊子「南を考える15」を発行した。(野呂法夫)

 このシリーズは、主に高校生や大学生の読者を念頭に随時発行している。今回で十五冊目となる特集は「伝えられなかったヒロシマ・ナガサキ」。千葉県御宿町に住む詩人、堀場清子さん(87)が十四歳の時、広島で米軍が投下した原子力爆弾を体験。祖父の病院で手当てした瀕死(ひんし)の被爆者たちの惨状などを書き記す。

 さらに占領期間中の七年間、報道や出版物が検閲され、広島、長崎で生き残った被爆者のむごたらしい現実や苦しみの声を世界に発信することができなかった。その一方で日本側の「権力の隠ぺい」も問題視する。

 本書の最後で「もしそれが、一九四五年八月に流されていたなら、遥(はる)かに強烈な効果を生み、その後の核戦略・核軍拡競争、そして原発の発展への強いブレーキになり得ただろう」と指摘。「まさに被爆者は、アメリカと日本の権力によって、二度殺されたのだ」などと訴えている。

 この文章はイタリア・ピサ在住の著述・翻訳家の斎藤ゆかりさんが編さんした冊子から抜粋し、英訳も転載している。

 朝鮮半島の非核化などをめぐって史上初の米朝首脳会談の行方が注目されるなか、大きな意味を持つ特集となった。

 「南を考える15」は同研究所のウェブサイトから閲覧できる。問い合わせは、同研究所=電03(5421)5652=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報