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【首都圏】

<発掘された日本列島 新発見考古速報2018> (1)特別史跡加曽利貝塚

イボキサゴやハマグリが隙間なく詰まった貝層=千葉市立加曽利貝塚博物館蔵

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 全国各地で毎年約8000件行われる発掘調査の中から、注目の17遺跡の出土品や装飾古墳の特集展示など約570点を紹介する「発掘された日本列島2018」(東京新聞など主催)が、東京都墨田区の江戸東京博物館で開かれている。その中からえりすぐりの5点を、文化庁の本展担当者に解説してもらう。

     ◇

 イボキサゴという貝をご存じでしょうか。成長しても二センチほどしかない巻き貝ですが、よい出汁(だし)がとれるそうです。現在では市場にも流通しないこの貝が、加曽利(かそり)貝塚(千葉市)の膨大な貝類の八割を占めるというから不思議です。

 加曽利貝塚は縄文時代中期から晩期(約五千〜三千年前)に営まれ、直径約百四十メートルの環状貝塚(北貝塚・中期)と、長径約百九十メートルにも及ぶ馬蹄形(ばていけい)貝塚(南貝塚・後期)が隣接して「8の字」状となった、縄文文化を代表する巨大貝塚です。北貝塚は堤状に盛り上がるほどで、今回展示する南貝塚の貝層剥ぎ取りではイボキサゴやハマグリが隙間なく詰まった様子が壮観です。貝塚では有機質遺物が残りやすく、なかでも犬の埋葬遺構は注目を浴びました。古くから人のパートナーであった犬を大切にする思いの表れでしょう。

 さらに土器、装飾品、豊富な有機質遺物が縄文文化の研究に果たした役割は計り知れません。こうした価値により、加曽利貝塚は遺跡の「国宝」ともいえる特別史跡に指定されました。「わが国文化の象徴」たる遺跡の貴重な逸品をご覧ください。

 (森先一貴・文部科学技官)

◆来月22日まで 江戸東京博物館

 本展は七月二十二日まで、江戸東京博物館で開催中。月曜休館(ただし七月十六日は開館し、翌十七日は休館)。問い合わせは同博物館=電03(3626)9974=へ。

 

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