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【首都圏】

「日本の兄」に捧ぐ胡弓 永六輔さん三回忌 浅草で七夕コンサート

ステージでの永六輔さん(左)と楊興新さん(ヤン企画提供)

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 中国出身の二胡(にこ)(胡弓(こきゅう))演奏家・楊興新(ヤンシンシン)さん(62)が永六輔さんの三回忌にあたる7月7日に東京都台東区の浅草公会堂で「七夕胡弓コンサート」を開く。「日本の兄貴」と慕い、かつて七夕コンサートの司会もした永さんが生まれた浅草で代表曲の演奏や孫の永拓実さん(21)との対談で故人をしのぶ。また、日本人の妻房子さんが26年の闘病の末、昨年10月に74歳で死去。亡き妻への愛情を込めた曲を捧(ささ)げる。(竹島勇) 

 楊さんの人生にとって七夕は特別な日だ。

 三十年前の一九八八年に三十三歳で来日。房子さんと出会い、翌八九年七月七日に結婚した。だが房子さんは三年後の九二年にくも膜下出血で体が不自由になる。

 「中国で日本人は悪い民族と教えられた」と楊さん。しかし周囲の人たちは病身の房子さんと失意の楊さんを優しく支えてくれた。「日中の人同士が愛と平和を思う機会に」と九三年に初めて七夕コンサートを都内で開催した。日中戦争の発端となった盧溝橋事件が起きた日であることも意識した。

 コンサートの録音を聞いて感動し「会いたい」と連絡してきたのが永さんだった。胡弓で日中の平和の懸け橋になりたいと打ち明け、意気投合。翌年から十四回開いた七夕コンサートのほとんどの司会を永さんがかって出た。二人の笑いを誘うトークも名物だった。

 永さんを「時代をつくり、人を深く愛した人」とたたえ、「加藤登紀子さんや小室等さんらを紹介してくれた。筑紫哲也さん、漫才師の内海好江さんら音楽以外の素晴らしい人に出会わせてくれた」と深く感謝する。浅草の永さんの母とも親しくした。彼女の訃報に駆け付け、永さん不在の枕元で自作曲「母よ」を奏でた。それを伝え聞いた永さんは「母よ」を演奏するたびに号泣したという。

孫の永拓実さん

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 拓実さんは永さんの娘で元フジテレビアナウンサー麻理さんの次男。東京大在学中で黒柳徹子さん、久米宏さんらゆかりの人に会って話を聞き、永さんの言葉からその人物像を考察した「大遺言」(小学館)を昨夏出版。拓実さんと楊さんは永さんを追悼する音楽番組での共演を機に交流を続ける。楊さんとの対談に「祖父のことを話すだけでなく、新たな一面を知ることができたら幸いです」。

 曲目は「遠くへ行きたい」と、楊さんの演奏で歌手で加藤登紀子さんの次女Yaeさんが歌う「見上げてごらん夜の星を」。ほかに「荒城の月」や房子さんへの思いを込めて作った新曲「あなたへ」を初演する。

 午後五時開演。入場料は六千五百円、六千円、五千五百円。問い合わせは、楊興新チケットセンター=電0120(15)8359=へ。

 

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