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【首都圏】

<発掘された日本列島 新発見考古速報2018> (3)金井東裏遺跡

よろいを着た古墳人(復元品)=群馬県立歴史博物館提供

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 うつ伏せになり、脱いだかぶとの上に頭をのせた成人男性は、よろいをまとったまま火砕流にのみ込まれてしまいました。

 この人物が発見されたのは、榛名(はるな)山の噴火により被災し、約千四百年前のムラが当時のままの姿で見つかった、群馬県渋川市の金井東裏(かないひがしうら)遺跡です。古墳時代の人骨が甲冑(かっちゅう)をまとった状態で発見されたのは日本で初めての事例で、大きな衝撃を与えました。

 不思議なことに、この人物は火砕流から逃れようとしたのではなく、迫りくる火砕流が噴き出す榛名山の方角を向いています。それは、甲冑に使われる鉄の表面が溶けるほど高熱の火砕流に立ち向かうかのようです。もしかすると、村の有力者として、この村を守ろうとしたのかもしれません。

 このほかにも、火砕流に被災した古墳時代のムラの発見は通常の発掘調査では得られない多くの情報をいまに伝えていますが、その一方で多くの解明すべき謎ももたらします。今後の調査・研究が期待されるところです。

 (藤井幸司・文化財調査官)

よろいを着た古墳人の出土状況=群馬県埋蔵文化財調査事業団提供

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◆来月22日まで 江戸東京博物館

 本展は7月22日まで、江戸東京博物館で開催中。月曜休館(ただし7月16日は開館し、翌17日は休館)。問い合わせは同博物館=電03(3626)9974=へ。

 

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