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【首都圏】

<発掘された日本列島 新発見考古速報2018> (4)史跡由義寺跡

由義寺跡から出土した、塔の心柱を支えた心礎とされる巨石=大阪府八尾市文化財調査研究会提供

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 東大寺や大安寺といった国営寺院にも匹敵するほどの巨大な塔基壇(とうきだん)(塔の土台)。そして、それらの寺院で用いられた瓦と同じ文様の瓦の大量出土。大阪府八尾市で見つかった古代寺院の跡は、多くの研究者を驚かせました。

 出土遺物からして八世紀後半の創建、見つかった場所の地名は東弓削(ひがしゆげ)。これだけの情報でも、この寺跡が「由義寺(ゆげでら)」であることは容易に推察できました。奈良時代後半、称徳天皇の寵愛(ちょうあい)を受けた僧、道鏡。彼は河内国の豪族弓削(ゆげ)氏の出身で、女帝を支え法王、太政大臣の地位にまで上り詰めました。その本拠地に称徳天皇の命により造られた国営寺院が、由義寺なのです。

 寺の近くには西京と呼ばれた由義宮もあり、天皇はしばしばこの地を訪れ、道鏡とともに新たな都づくりに熱中しました。しかし、由義寺の造営が始まってわずか数年のうちに称徳天皇は崩御。道鏡も下野薬師寺に左遷され、寺の造営も中止されます。そうして忘れ去られた由義寺が、およそ千二百五十年ぶりに姿を現したのです。

  (近江俊秀・文化財調査官)

◆来月22日まで 江戸東京博物館

 本展は7月22日まで、江戸東京博物館で開催中。月曜休館(ただし7月16日は開館し、翌17日は休館)。問い合わせは同博物館=電03(3626)9974=へ。

 

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