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【首都圏】

<ようこそ!バリアフリー温泉>富士レークホテル(山梨)<上> 旅情楽しむ部屋づくり

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 皆さま、こんにちは。山崎まゆみと申します。私には体の不自由な妹がいました。二〇一二年に妹が他界した後、障害のある人や車いすの人も使いやすい「バリアフリー温泉」の存在を知りました。もっと早く知っていたら、妹を連れて家族で温泉に行けたのに。後悔だけが残りました。

 高齢の方や身体の不自由な方にこそ、温泉でくつろいでほしい。家族と大切な思い出をつくってほしい。そんな気持ちから、これから各地の旅館が取り組むバリアフリー温泉をお届けしていきます。

 山梨県の河口湖畔に立つ富士レークホテルは、ロビーに大きな暖炉があり、客室は木目調で瀟洒(しょうしゃ)な山岳リゾートホテルです。玄関とロビーにはスロープがあり、車いすも入りやすい広いエレベーター、段差のない廊下を経て、部屋にたどり着けます。全七十四室のうち二十三室が、室内に段差がないバリアフリールーム。入り口のドアも、車いすの人が使いやすい引き戸タイプです。

 その一つ「富士山眺望露天風呂付き客室スイート」=写真(下)=は最大で六人泊まれるので、三世代の旅行によく使われます。浴場用の車いす(シャワーキャリー)に乗り換えたら、温泉を引いたヒノキの露天風呂=同(上)=へ。湯船は車いすの座高に合わせ、浴槽の出入りを補助する移乗台もあり、入浴しやすいお風呂です。

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 ホテルがバリアフリーに取り組み、すでに二十年。「何も分からずに始めた時は、部屋中に手すりを付けて味気ない部屋を作りました。お客さまから『病院に来たわけじゃないんだよな』と言われまして。試行錯誤しながら現在の形があります」。井出泰済社長はこう話します。

 バリアフリー温泉といっても、全てがフラットというわけではありません。むしろ、病院のような殺風景な建物では旅情もわきません。おいしい食事に美しい景観、そして名湯。そう、誰もが望むすてきな旅館と何ら変わりません。 (温泉エッセイスト)

<富士レークホテル(河口湖温泉)> 山梨県富士河口湖町船津1 貸し切り風呂2カ所、バリアフリールーム23室(2人1室利用2万7000円〜、車いす対応のトイレ完備、スロープ設置)。レストランには個室もあり。きざみ食やペースト食、アレルギー対応のアレンジあり。貸し出し備品は多数。電0120(72)2209

<やまざき・まゆみ> 新潟県長岡市生まれ。国内外1000カ所以上の温泉を巡り、「幸せな一期一会」をテーマに各種メディアでリポートしている。「バリアフリー温泉で家族旅行」など著書多数。跡見学園女子大兼任講師。内閣官房による「ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議 街づくり分科会」に参画している。

 

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