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【首都圏】

児相職員もSOS 目黒虐待死受け勉強会

子どもの虐待死を防ぐために議論する児相職員ら=東京都内で

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 どうすれば救えたのか。東京都目黒区のアパートで両親から虐待を受けた船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=が死亡した事件を受けて、児童相談所(児相)や児童養護施設の職員らでつくる「子ども研究会」(新宿区)が14日、虐待防止を考える勉強会を開いた。 (木原育子)

 「児相は精いっぱいやっているが、いつも憎まれ役だ」。都内の児相職員がうつむいた。結愛ちゃんを担当した品川児相には事件後、一日二百〜三百件の批判の電話があったという。

 結愛ちゃんは今年一月、香川県から目黒区に転居。県の児相は過去に二度、身体的虐待で一時保護した経緯を品川児相に伝えていた。しかし、品川児相の担当者は母親に接触したのみで、結愛ちゃん本人には会えないままだった。結愛ちゃんは三月に死亡した。

 今回のケースでは、児相間の引き継ぎが問題になった。勉強会で現場の職員からは「『心配だ』と声を上げる職員はいなかったのか」「もっと家庭の情報を引き出す力をつけていく必要がある」などの声があった。

 都内の児相の場合、虐待事案を扱う児童福祉司が一人で抱える相談件数は百件を超える。事件を受け、小池百合子知事は児相職員を増やす意向を表明した。

 しかし、現場の職員からは「ありがたい話だが、畑違いの職員や新人が来ても効果は薄い」「児童福祉司は二〜三年で全く別の部署に配属が代わることもある。専門性の育成が急務だ」と切実に訴えた。

 改善策として▽児童福祉司が一人で扱う相談件数に上限を設け、超えた場合の増員を義務付ける▽児相職員を目指す学生のインターンシップ(就業体験)を導入する▽児相を核にした保健師や保育園、学校などのネットワークをつくる−などの提案があった。

 勉強会には児相職員のほか、各区の子ども家庭支援センター、学校関係者、保育士ら約三十人が参加した。

 自由討論に先立ち、埼玉県児相に二十四年間勤務した古谷(ふるたに)高子さんが講演。一九九九年に県で始めた、虐待通報の後、四十八時間以内に児相が子どもの安全を確認する「四十八時間ルール」の導入当初を振り返った。「子どもの『助けて』という声が社会で共有されず、児相は孤立化している。児相の抜本的な態勢強化とともに、子どもの権利が守られる社会に変わってほしい」と訴えた。

 

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