東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 首都圏 > 記事一覧 > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【首都圏】

歴史教育の大切さ 現地の声で伝える 東海大生が沖縄取材しDVD制作

羽生教授(左から3人目)と沖縄を取材した学生ら=神奈川県平塚市の東海大で

写真

 東海大文化社会学部広報メディア学科(神奈川県平塚市)の学生6人が、沖縄の歴史教育をテーマにした報道番組のDVDを制作した。沖縄戦で住民が集団自決に追い込まれた沖縄県読谷村の自然壕(しぜんごう)「チビチリガマ」で昨年9月、少年グループが遺品を損壊した事件を足掛かりに、中学生や大学生、地元紙の記者を取材。真実から目をそらさず、声を上げ続けることの大切さを訴えている。 (布施谷航)

 六人は羽生浩一教授のゼミで学んだ学生。昨年十二月六〜九日の日程で現地を訪れた。今春卒業した三人を含む六人の学生たちが取材や編集作業を手掛け、約三十分の番組に仕上げた。

 序盤はチビチリガマを軸に進む。現地ガイドを務める女性が「地元でさえ歴史が受け継がれていない」と、遺品損壊事件から受けた衝撃を語る。一方で、地元の中学生たちは「簡単に行ってはいけない場所」としつつも、訪れたことがないことを告白。教員を目指し、歴史教育の大切さを語る大学生も「行ったことがない」と明かし、伝承の難しさを浮かび上がらせる。

 三年の高橋夏帆(かほ)さん(22)はそんな若者たちと自身を重ね合わせる。「沖縄問題は知識としては知っていたけど、現地で取材するまでは実感が湧かなかった」。チビチリガマや米軍新基地建設が進む名護市辺野古の反対デモを目の当たりにして、現場を見て話を聞くことの大切さを痛感した。

チビチリガマの前で取材する様子を映した番組の一場面

写真

 今月中には再び沖縄を訪れ、現地の新聞社にインターンシップ(就業体験)で働くといい、「皆さんに寄り添って取材してきたい」。

 DVD後半では、フェイクニュースが真実を伝える妨げとなっている現状を紹介。ネット上で基地反対運動への誹謗(ひぼう)や中傷が後を絶たない。インタビューに応じた琉球新報の島洋子政治部長(現・経済部長)は「沖縄への理解が進んでいないため、誤解や偏見が広まる」と危機感を募らせる。学生たちが見た辺野古でのデモ参加者は、決して「プロ市民」ではなかった。

 四年の寺牛恒輝(てらうしこうき)さん(21)は「ネット上では、一部の映像や情報が切り取られている」と、島部長に共感して語る。「権力やデマに屈せず、問題と向き合い、本質と真実を伝え続けることが大切」。それは報道現場での活躍を目指す自身に言い聞かせる言葉でもある。

 三年の沢村成美(なるみ)さん(21)は「高校で学んだ歴史は、年号や人物を暗記するためのものだった。駆け足で通りすぎがちな近現代史のことを理解しなくては、今の課題を解決できないと思います」と話した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報