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【首都圏】

24時間 晩夏の狂走曲 神奈川・宮ケ瀬湖リレーマラソン出走記

「宮ケ瀬湖24時間リレーマラソン」で一斉にスタートする100チームの第1走者=神奈川県清川村で

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 神奈川の水がめ・宮ケ瀬ダム(神奈川県清川村)で毎年8月下旬の土日に行われる「宮ケ瀬湖24時間リレーマラソン」。今年も8月18、19日に約1300人のランナーが集まった。記者もその1人。夏の終わりの風物詩、高原の狂走曲を紹介する。 (宮崎美紀子)

 同大会は宮ケ瀬ダム完成十周年を機に始まり今年で九年目。山奥の公園にテントを張り、朝十時から翌朝十時まで一チーム最大十五人でタスキをつなぎ、一周一・八キロのコースの周回数を競う。昼は焼けるように暑く、夜は寒さに震える。突風でテントが飛んだり、雷で避難したことも。この非日常感がクセになり、リピーターが絶えない。

 主催の宮ケ瀬ダム周辺振興財団・和田久理事長は「大自然の中でキャンプとスポーツの両方が楽しめるのが宮ケ瀬ならでは。音楽をかけても苦情はこない。危ないこと、火を使うこと以外は自由です」という。

 今年の参加は百チーム千二百七十人。新設のソロ部門にも二十五人が挑んだ。記者が所属する「大成横浜走友会」は初回から参加の常連チーム。橋本直之会長(59)によると初年度は人数が足らず、過酷さに心がすさんだそうだが、達成感は格別で、以来、会の必須行事となった。

 今年は例年になく涼しく日中は快適。だが夜はダウンジャケットを着ても寒くて、一睡もできなかった。五十代中心の我がチームがどんよりする中、隣のテントからは若者の元気な声が。早稲田大中心のサークル「ホノルルマラソン完走会」だ。三チーム編成でAチームは優勝争いに絡む実力派。山本健人代表(20)は「この大会は学年を超えて仲良くなれるんです」とさわやかに話す。

 別の一位を狙う人たちも。仮装ランの強豪の「IRL陸上部・仮」は千葉県柏市の進学塾のバイト講師とOBのチームで、ドクターイエローやSuica、ゴジラなどのコスプレで激走。さぞ暑いだろうが、代表の永井千絵さん(22)は「ガチでみんなを笑顔にさせたい」と胸を張った。

 深夜は次の走者が寝てしまいタスキを渡せない悲劇が多発した。朝四時、冬の星シリウスが山の端から昇った。夏ももう終わりだ。残り時間が減るのが寂しい。これぞ宮ケ瀬マジック。

 朝十時、ハイタッチの嵐の中、各チームの最終走者がゴールした。「もう走りたくない」と誰もが思いつつ、また来年も我々は山を登るのだろう。

 

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