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【首都圏】

新進女性画家3人が選ぶ 「モネ それからの100年」私の1枚

 横浜美術館(横浜市西区)で「モネ それからの100年」展(東京新聞など主催、24日まで)が開催されている。キャッチコピーは「わたしがみつける新しいモネ。」。鑑賞した新進の女性画家3人は何を感じ取ったのか。「私の1枚」を選び、その魅力を語ってもらった。 (文・野呂法夫、写真・嶋邦夫)

◆「ジヴェルニーの草原」 奥寺正美さん=東京都台東区

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 印象派の巨匠でフランスの画家クロード・モネ(1840〜1926年)。風景画も多く、まるで自分がその場にいて感動しながら眺めている錯覚に陥る。

 縁起物を描く奥寺正美さん(37)=東京都台東区=が選んだのは、「ジヴェルニーの草原」(1890年、福島県立美術館蔵)。モネが自宅近くの花が咲き乱れる景色を描いたものだ。

 「夕方でしょうか。雲がピンク色に染まっている。大気や光の変化の一瞬を切り取り、誰しもにある心象風景を映しているよう」

 奥寺さんは高校生の時、太鼓橋がある「睡蓮(すいれん)の池」を模写し、以来絵の物質感を課題にしてきたという。

 「草原の絵にも同じく絵の具を厚く重ねる絵肌の独特な質感を感じた。絵の空気感や存在感は本物でしか分からない。私が描く絵は背景が見る角度により変化する。ネットで作品がみられる時代だから、写真では映らないものを描いています」

◆「チャリング・クロス橋」 矢澤みずきさん=東京都日野市

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 洋画家の矢澤みずきさん(30)=東京都日野市=は、ロンドンのテムズ川に架かる「チャリング・クロス橋」(1899年、メナード美術館蔵)に惹(ひ)かれた。

 作品で最初に目に入ったのが川面のきらめき、次にやや青みを帯びた灰色の橋、右奥には国会議事堂が浮かび上がる。全体を包む淡いピンク色のもやのようなものが、きらめきや建造物を魅惑的に見せていたことに気が付くと、目が離せなくなったという。

 「多色使いのモネには珍しくグレートーンの作品であるように見せ、実際には反対色などを取り入れ補色効果も計算している」とみる。そして「私が好きな作品は『写実とぼかしが共存しているもの』で、このモネもその1枚となった。筆ですべてを語らない『想像の余地』を残す作品を制作していきたい」と話した。

◆「バラの小道の家」 大塚麻理恵さん=東京都練馬区

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 アクリル絵の具で「平和」をテーマに作品を描いている大塚麻理恵さん(31)=東京都練馬区=は、日本初公開の「バラの小道の家」(1925年、個人蔵・ロンドン)を一押しした。

 「題名を見るまでバラの花だとは気が付かなかった。モネは眼の病に苦しみ、2度、眼の手術を受けている。最晩年にぼやける視界の中で描いたのでしょうか。バラの赤い色に惹きつけられました」と語った。

<「モネ それからの100年」展> モネの初期から晩年までの絵画25点と後世代の作家26人の絵画や版画、写真、映像66点を展示。横浜美術館へはみなとみらい線みなとみらい駅またはJR桜木町駅で。午前10時〜午後6時(14、15、21、22日は午後8時半まで)。入館は閉館の30分前まで。木曜休館。一般1600円、大学・高校生1200円、中学生600円。問い合わせはハローダイヤル=電03(5777)8600=へ。

 

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