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【首都圏】

生の悩み 寄り添う僧侶 3年半の記録映画「いのちの深呼吸」

命に寄り添う活動を続ける岐阜県関市の根本一徹住職

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 生きることに悩み、絶望しかかっている人に、寄り添い続ける岐阜県関市の大禅寺の根本一徹住職(46)。時には、相手の自宅まで駆け付ける根本さんの日々を描いたドキュメンタリー映画「いのちの深呼吸」が9月上旬、全国各地で上映が始まる。 (飯田克志)

 根本さんは二〇〇四年から、電話やメールなどで、自殺を考えている人たちと、向き合ってきた。自分の考えを押しつけたり、死にたいという気持ちを全面否定したりしない。「とことん話を聞いて、自分だったらこうするけれどと、疑問に思ったことをどんどん聞いていく」。すると、思い詰めていた人の気持ちがほぐれ、笑いも出るようになるそうだ。

 東京都品川区出身の根本さん。二十四歳の時、バイク事故で生死をさまよったことをきっかけに、仏門に入った。自殺防止に取り組んだのは、親しかったおじと、中学高校の親友二人を自殺で亡くしたことから。

 一七年の自殺者は二万一千三百二十一人。十年前に比べ年間の自殺者はさまざまな予防活動で一万人減ったが、「予備軍がどんどん増えてきている」と根本さん。「一人で会社に行って、一人でご飯を食べて、友達はスマホの中。こんなパターンが随分増えているんじゃないかな」。社会で孤立している人が増えていると感じているからだ。

 活動を通じて「大切なのは、対等に付き合える人間関係。今どんなことが楽しいとか、つらいとか、気楽に語り合える付き合い」という思いが強まり、アウトドア座禅などのイベントを催す「一徹.net」を仲間と運営している。

 「何とか話を聞きながら、その人が孤独、死、病気といった悩みの中から光を見つけていく、その場に立ち会いたいだけ」。これからも「命の伴走」を続けていく。

 映画は、米国ニューヨークを拠点に活動するラナ・ウィルソンさんが監督。根本さんを三年半追った作品について「人のつながりの大切さについての映画」とコメントを寄せている。上映は、東京では九月八日から中野区東中野のポレポレ東中野で始まる。

 

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